発売直前の新型機と対応ソフトが一堂に
国内最大級のゲームソフトの祭典、東京ゲームショウが22日、千葉・幕張メッセで開幕した。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の人気に押され気味の据え置き型機の逆襲はなるのか、ゲーム機における次世代メディア対決の行方は?---今後を占う見どころが満載の展示会となっている。同日の基調講演では、発売前の「プレイステーション3」値下げが電撃的に発表された。
会場に衝撃が走ったのは基調講演の直後。ソニー・コンピュータエンタテインメントの久多良木健社長が、質疑応答でPS3の廉価版を税込み49,980円に値下げすると表明したからだ(11月11日発売)。税込み価格が6万を超える上、これまで廉価版にはハイビジョン映像を高画質のまま出力できるHDMI端子がないとされていたことは、以前から弱点として指摘されていた。今回、HDMI端子の標準搭載と大幅な値下げを発表したことで、PS3の購入を見送る考えだったゲームファンの多くが、再検討を始めるだろう。
同社の佐伯雅司・エグゼクティブバイスプレジデントは「悩み抜いたあげくの決断。その目的は、1台でも1日でも多く、早く、普及をする。ネットワークを通じ、インフラを使ったビジネスモデルをゴリゴリと推進していくんだ、ということ」と値下げの狙いを語った。
ゲーム機市場では、DSライトを含むDSシリーズが国内累計1000万台を達成する好調な売れ行きを続けている。ゲーム離れに歯止めをかけようと、複雑なボタン操作からの解放を目指して開発されたDSは、二画面・タッチスクリーンといった新機軸を取り入れた結果、中高年や女性ユーザーをゲームに振り向かせることに成功した。異例のロングセラーとなっている「脳トレ」シリーズは日本だけでなく欧米でも売れており、ハード自体も世界累計販売数で2000万台に到達。据え置き型機のシェアを奪い、今やゲーム機の主役とさえ言われている。
こうしたハードの勢いを反映し、会場でも携帯型ゲーム機対応ソフトの充実ぶりが目立っている。たとえば、コナミがマネックス証券と組んでの制作を発表したDSソフト「株式売買トレーナー カブトレ!」(12月14日発売)。株取引のシミュレーションができるユニークなソフトで、株取引の基礎が身につくという。脳トレ系新作としてまた中高年層に受けそうだ。
しかし今回のショウでは、こうした状況下であえて任天堂が投入する据え置き型機「Wii(ウィー)」の対応ソフトも登場。12月2日発売(税込み25,000円)のWiiは、テレビのリモコンのような無線コントローラーで直感的に操作できるのが特徴だ。ラケットのように振り回してテニスを楽しんだり、剣のように振り下ろして冒険者の戦いを疑似体験できたりする。例えば、テニスゲームでは振るだけで画面上の球を打ち返すことができ、ボタンを押す必要さえない。ゲーム機の敷居を低くしてとにかく触ってもらおうという工夫が凝らされている点で、ある意味DSと共通した設計思想を持つマシンだ。もっとも、任天堂自体は「DSの普及はWiiの普及を保証しない」(岩田聡社長)と、ヒットを予想する声に対して冷静な構えも見せている。(大和太郎)
(2006年9月22日 読売新聞)