視察団は、それぞれの国で新聞社が運営する先端的なNIE施設を見学した。
どちらも体験型で、中高校生らが数人のグループに分かれ、携帯端末を使ってゲーム感覚で取材、記事を協力して書き上げる。事実確認の難しさや取材倫理も考えさせられる仕組みだ。
フィンランド唯一の全国紙ヘルシンギン・サノマート(約47万部)を発行するサノマ社の施設(約300平方メートル)は、ヘルシンキ中央駅近くの本社地下2階にあり、映画の撮影セットさながらのミニ市街地だ。
視察団が体験したのは高校生向けプログラム。「行方不明だった女子高校生の遺体が学校近くで見つかった」という想定で始まる。参加者はモニター画面の登場人物を見ながら携帯電話にかかってくる指示などに応じて、ミニ市街地の各所で取材し「殺人犯は恋人」という結末に至る記事を書く。同社の記者が案内人で参加者の質問に対応する。
できた紙面は参加者全員で評価する。新聞に掲載してはいけない写真を選んだグループは倫理上の問題を痛感させられる。粘り強い取材をしないと犯人はわからない展開になっている。年間約7000人の先生と中高生が、授業の一環としてここを訪れるという。
ノルウェー・オスロの南約50キロにある地方紙ドラメンズ・ティーダナ(約4万部)の施設(地下1階)には、近くの高校1年生約30人がやってきた。4チームに分かれ、各自が携帯端末を持って室内各所で断片情報を集め、チームでまとめて記事にする。不確かな情報に惑わされると事実を見誤り、複数の情報源から事実確認する重要性を体験する。教員経験のある案内人が生徒たちに行動を指示し、取材に際して出てくる倫理的問題などについて話し合い、深く考えさせる。
視察した有馬進一総括教諭(神奈川県藤沢市立大庭中)は「参加した生徒には実社会で必要な情報を読み解く力が身につく。日本にも欲しい未来型のNIE施設だ」と話していた。
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| ノルウェーのドラメンズ紙のマルチメディア施設で、取材体験する高校生 |
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| 各自が携帯端末を使って取材、施設内の各所で情報を集め、グループごとに記事を書く |
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