記事の「切り抜き」宝物
教育ルネサンス 「ママ、この記事切ってもいい?」「まだ読み終わってないから待っててね」
 埼玉県春日部市の公務員唐木千恵子さん(46)宅を訪ねた。夕食後のだんらんで、その日の読売新聞を切り抜くのが日課。長女の小学4年映里花(えりか)さん(10)は、くらし面の「こどもの詩」や解説面の「日本語日めくり」がお気に入り。長男の小学3年秀徳(ひでのり)君(8)は、都道府県や世界各国を紹介する記事が好きだ。
 みんなが記事を切り抜くので、新聞は穴だらけに。姉弟は切り抜いた記事を、授業で使い切ったノートに張る。たまったスクラップ帳は言葉と情報の宝庫。何度も読み返しているという。「楽しいから続けています。新聞を読むのが好きになりました」と映里花さん。
スクラップ帳を読み返す唐木さん親
自宅で、記事を集めたスクラップ帳を読み返す唐木さん親子
ジュニア・エコタイムス
姉弟2人で制作した新聞「ジュニア・エコタイムス」。
日本の食料自給率の低さを訴えている
唐木さん親子は、新聞教室でも最前列で熱心にスクラップ作り
唐木さん親子は、新聞教室でも最前列で熱心にスクラップ作り
 「学ぶ楽しさを日々、体験しています」。7月の読売新聞主催「夏休み親子新聞教室」にゲストとして参加した際、母親千恵子さんは、新聞の魅力をこう語った。
 唐木さん親子は2年前、この「新聞教室」に参加したことがきっかけで、新聞作りにのめり込んだ。旅行記や五輪、皆既日食などをテーマに新聞作りを続けている。
 昨年、「日本の食料自給率は40%」という記事に驚いて作った新聞では、「食料輸入が止まったら、10人のうち4人しか生きられない」と問題提起した。店で買ってくる魚や野菜の産地を半年間記録した結果も同時に紹介した。
 作品は地元新聞社のコンクールで優秀賞に輝いた。作文コンクールにも挑戦し、姉弟ともに入賞を果たした。千恵子さんは、「基本はスクラップ作り。親子で楽しむことが一番大事ですね」と話した。
 「こんな記事があったよ」。
神奈川県平塚市の主婦浅田智代子さん(38)は、夕食時、4人の子どもに気になった記事を読み聞かせている。学校や生活の悩みなどに答える、読売新聞くらし面「人生案内」や地域のニュースなどだ。「心にとまった話を伝えたい」と智代子さん。中学2年の長女直子さん(13)と2年前に「新聞教室」に参加した。
 直子さんは今、コラム「編集手帳」を切り抜き、知らない言葉を学ぶことが楽しみ。小学生の弟たちは漫画や恐竜の記事が気になるようだ。
 母親が新聞を読む姿を見て育ったという智代子さん。「そんな姿をいつも見せていれば、子どもも自然と読む習慣が身に着くのだと思います」。親の思いを子世代へ、新聞が橋渡しもしている。
(小山孝、写真も)