若手を支える「推進協」
教育ルネサンス 2学期に始まった6年国語教科書の単元「『平和』について考える」。世の中のことを知り、関連情報を集めて意見文にまとめ、スピーチする力を育む学習だ。東京都江東区立香取小学校の花井拓也教諭(28)は、この単元で新聞を使おうと考えた。
 花井教諭が新聞活用を試みるのは初めて。これを聞いた同区立第二亀戸小学校の田中孝宏校長(50)が、「アイデアやヒントをもらえるよ」と、自身が世話役をしている東京都NIE推進協議会小学校部会に誘った。毎月1回、東京・日比谷の日本プレスセンターで、新聞活用に関心のある教員らが集まり、意見や情報を交換している。
 9月初めの部会は約20人が参加。花井教諭は指導案を説明、「教科書に沿った学習の後、その応用として新聞を通して自分の意見をまとめさせたい。その際、『平和』に限定するほうがいいでしょうか」と問いかけてみた。
 参加者からは次々意見が。「戦争や武器はだめだ、いやだという意見ばかりになりかねない。身近な平和、思いやり、というテーマでどうか」「広い視野で個々の子どもが何をテーマに選ぶか見たい。そもそも国語で『平和』にこだわることはないのでは」「交流するには共通テーマがあったほうがいい」
 そして1か月後。花井教諭の授業は、色んなものが入って一覧性もある新聞から自分で判断し、発表させる内容となっていた。
 「へーっと思ったことや、なるほどこういうことだったのかという視点で一つ選んで下さい」と指示を出す。すると、子どもたちは事前に渡されていた2日分の新聞から、「北極上空にオゾンホール」「ノーベル賞受賞者が既に亡くなっていた」「日本人サッカー選手の海外での活躍」など、伝えたい事象を思い思いに選んでコメントを述べた。
江東区の区立香取小学校で
イチオシの話を新聞の中から選ぶ子どもたち
(10月5日、東京・江東区の区立香取小学校で)

 授業を振り返って花井教諭は、「現在起きていることを丸ごと知って未来を考えさせることができるのではないかと考えた。先生方の指摘を聞き、世の中のことに意見を持つのに、新聞は有効だと再認識しました」と話した。
 授業を参観した田中校長は「後日、そこから意見文を書く際、『未来を考え、平和な世の中にするにはどうしたらいいか』という導入を示したのもよかった」と評した。
 新聞活用に挑戦する若い教師を、NIE推進協議会の先達が支えている。
(坂井伸行、写真も)

NIE推進協議会
 主に都道府県ごとに教育行政、学校現場、新聞社の各代表によって構成されるNIEの拠点。新聞活用向けの研修、取り組みの支援、情報交流などを行っている。

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