同じテーマ 小中高連携
教育ルネサンス 同じテーマで、小中高の教諭がNIE(新聞活用学習)に取り組めないか——。そんな発想で、東京都NIE推進協議会が都内の3教諭らに声をかけて昨年から進めてきた試みが、新聞の「テレビ・ラジオ欄」を共通項にしたモデル授業だ。今年7月、青森で開かれたNIE全国大会で成果が発表され、参加者の注目を集めた。
 10月のある夕方、東京都内の閑静なレストランに、この3教諭の姿があった。この1年、テレビ・ラジオ欄を使った授業研究に取り組んできた仲間にとって集大成となる会合だ。
 理科を担当した都立小石川中等教育学校の安川礼子教諭(44)は、前任校の千代田区立九段中等教育学校で、昨年6月の小惑星探査機「はやぶさ」帰還と42年前の「アポロ11号」月面着陸を伝えたテレビ欄を比べた。社会科教諭と連携した「チームティーチング」で、アメリカが大国である理由につなげて考えたが、「マーカーで色分けするといった小学校の方法が参考になった」と振り返る。
 国語を担当した明治大学付属明治高校・中学校の坂口泰通副校長(60)は、高校生の研究授業で、テレビ・ラジオ欄をもとに調べ学習をさせた。「ジャンルの違う先生同士が参加する機会はなかなかないが、同じ物差しを使い、小中高が授業実践できることが分かった」と喜ぶ。
 小5社会科で、テレビ欄のニュース枠を分析させ、児童にテレビの報道状況などを考えさせたのは、東京都大田区立東調布第一小学校の佐野一道教諭(34)。「小学校教師として、高校に至るまでの子どもの成長具合が知れたのは発見」と思わぬ成果に触れた。
台東区上野で
実践状況を話し合う(右から)坂口副校長、安川教諭、佐野教諭(10月7日、東京・台東区上野で)=増田教三撮影

 3人の教師は、成長を踏まえた授業を考えるヒントを、三者三様に見つけたようだ。
 一方、新たなアイデアも生まれている。都NIE推進協議会副会長を務める都立第一商業高校の戸田勝昭校長(54)は、「NIE甲子園」を提案。「子どもたちは目標があると熱っぽくやる。"甲子園"は子どもたちのやる気を引き出す」と訴える。
 新聞を使った学びの場が、仲間、家庭、地域と様々に広がり、教育界に新しい風を吹き込んでいる。 
(住吉由佳)

チームティーチング
 教師が2〜3人の複数で教えること。「授業についていけない」子どもの個人差に対応できるなど、教師の連携で様々な効果が期待されている。team teachingの頭文字をとってTT授業ともいう。

英文ぺージへ