先生にインタビュー
アイデアノートトップ>先生にインタビュー・トップ>第2回「子どもがつながり、クラスができる」

先生にインタビュー

「教師という職業を知ろう!」

第二回 白崎洋子先生 【子どもがつながり、クラスができる】

質問1 簡単に自己紹介をおねがいします。

答え1

大学を卒業し、10ヶ月間ベンチャー企業に就職していました。そこで事務をしながら週に1回支援が必要な子どもたちのボランティアに行ってたんですが、「やっぱり子どもと関わるのっていいな」って思ったんです。同時に、専門的に勉強されている支援スタッフの方の影響を受け、私も専門的に勉強したいなって思いまして、次の年に、障害児教育の専攻科に1年間通ったんです。その次の年に小学校の先生になったので、大学を卒業してから先生になるまで2年かかりました。その後、前任校で6年間働いて、ここに移動して今3年目なので、教員歴は9年です。それまでも低学年ばかりで、この学校に来てからも3年間すべて1年生を受け持っています。

「当たり前って当たり前じゃない」

質問2 記憶に残るエピソードってありますか?

答え2

1年生を受け持つことが多いと、学校に行きたくないって言って、お母さんと離れられない子が必ずいるんです。泣いてお母さんの手を離さないんですよ。でもある時、お母さんの手を離して私の手を握りしめてきたときがありました。そのとき何だかとても「偉いな」って思ったんです。小さいながらも、何か彼の中で決意したんだなって思いました。

インタビューに答える白崎先生

学校にいると色んなことが当たり前に見えてしまうけど、みんなそれぞれで感じていることは違います。一人ひとりをよく見ていく中で、当たり前のことが当たり前じゃないんだなと、こちらがそれに気付かされるのです。

「読み聞かせをすることでつながる子どもたち」

質問3 今、トライしていることってありますか?

答え3

今年は読み聞かせをいっぱいしようと思っています。以前時間が余ってしまったときに、「かさぶたくん」っていう本を読んだんですよ。かさぶたについておもしろく書かれてあるわけです。何でかさぶたができるかとか集中して聞いていました。その時に、これまではそう感じたことなかったんですが、子どもって実は本が好きなんだって思ったんです。だからトライしようと思ったわけではなくて、それがきっかけで読み聞かせの回数を重ねるにつれて、子どもが少しずつ変わっていったことに驚いたんです。読み聞かせってすごく密着しないと全然見えないじゃないですか。最初は「何でお前きついところにあとから入ってくるんだよ」ってケンカになり、読み聞かせどころじゃなくて・・・。でも次第にケンカしないで集まれるようになったんです。本を聞きたいと思う興味が、皆が仲良く聞けるためにはどうしたらいいかを互いに読み取っていったんです。最初は出身園で集まっていた子どもも、読み聞かせを通じて輪が広がりましたよね。そうする姿を見ていたので、今年は読み聞かせにトライしているんです。

インタビューに答える白崎先生

質問4 子どものつながりを意識して学級経営をされているんですね?

答え4

あとは自信もつけさせてあげたいと思っています。私から良い評価をしてあげたり褒めたりもするけど、帰りの会に「ぴかぴかさんタイム」という時間を設けていて、「今日のぴかぴかさんは誰々です」という他己評価を行っています。「今日は○○くんです」「何でですか?」「僕が消しゴムがないときに貸してくれたからです」といった感じです。子ども同士の他己評価が自信につながるとか、そういうことすると褒めてもらえるんだと思い、それこそ子ども同士がつながっていくんです。子どもがつながっていくとクラスの雰囲気がどんどんよくなっていく感じがします。

「先生同士の連携が学校をよくする」

質問5 今抱えている問題ってありますか?

答え5

最近自分の役割が増えてきて、それが一つ課題になっています。これまでは、子どもだけ教えていれば良かったのですが、後輩の先生たちの指導をしたりとか、チームとしてまとめていかなきゃいけない立場になったときに、やっぱり私はまだそんな器じゃないなっていうのが今自分にとっての正直な課題です。もっと他の先生に相談してみたらいいんだろうけど、「皆も忙しそう」とか「まずは自分で考えてみよう」とか考えてしまい聞けずにいます。

白崎先生の担任する教室

でも最近感じるのは、私が全部請け負うのではなくて、上手に仕事を任せればいいのかなとか、どんどん仕事を振って行けば、皆も責任を持つし成長していくだろうから、そうすれば良いのかなと思うようになってきました。先生になると周りも忙しいから色々とひとりで抱えこんでしまうこともあるんですが、でも互いにそう思っているだけで実はそうじゃないのかなって思っています。もっと先生同士が連携すると、個人も楽になるだろうし、互いのことを知っていることで学校全体の雰囲気も良くなるのでは、と感じています。

授業のネタも、自分で調べるより周りの先生からもらうヒントは、実際にやっているところも見ることができるし、とても大きいです。教師ってすごくクリエイティブな仕事だなって思っています。2回と同じことはできないし、毎回何らかのスパイスを加えて変化が無いと、子どもは正直につまらない顔をします。だからこそ、色んな先生がやっているのを見て、ヒントをもらっています。せっかく小学校にはたくさんの先生がいるのだから、身近なところに学びの種がたくさんあるというわけです。

「シンプルこそ一番むずかしい」

質問6 教員としての自分のコンセプトってありますか?

答え6

1年生なので、とにかくシンプルにっていうのは心がけているんです。課題や質問をとにかくシンプルにしないと1年生は理解できないし、興味もわかないんですよね。シンプルにすることが実は一番むずかしくって、子どももわかろうとしているのに聞こえてくる言葉が複雑だと一気にやる気もなくなるし、それが繰り返されればどんどんおもしろくなくなってしまう。そうすると、先生の話も聞かなくなってしまうかもしれないですよね。

インタビューに答える白崎先生

最初は1年生だからと思ってシンプルにしようと心がけていただけど、本当はどの学年の子どもにとってもすごく大事なことなんだなって最近強く感じるようになりました。

質問6 最後にこれから教員を目指そうとしている皆さんにメッセージを

答え6

私は1年生を長く持っているからより感じることなんですが、先生になると毎日がドラマなんです。そんな仕事って他にないと思いませんか?子どもたちの間には毎日何かしらドラマが起きます。良いことも悪いことも。それに毎日出会える仕事っていうのは、私にとってはすごい魅力的なことだなって本当に思います。先生になったらどんな毎日がやってくるんだろう?と不安に思うかもしれませんが、そんな不安を感じている場合じゃないほど毎日ドラマがやってきますよ。

Copyright©2011NPO学習環境デザイン工房