文字サイズ

    合格へ験担ぎ 石でネジで…

    「落ちない・滑らない」名所やグッズ人気

    • 境内に立つ鼠小僧次郎吉の墓石。参拝者は手前の石「お前立ち」を削った粉をお守り代わりに持ち帰る(東京都墨田区の回向院で)
      境内に立つ鼠小僧次郎吉の墓石。参拝者は手前の石「お前立ち」を削った粉をお守り代わりに持ち帰る(東京都墨田区の回向院で)

     大学入試センター試験(14、15日)が迫るなど受験シーズン本番を迎え、今年も合格を祈願するスポットや験担ぎのグッズが人気を呼んでいる。

     「落ちない」「滑らない」「勝つ」といった縁起のいい言葉にちなんだいわれもあり、御利益に期待が集まる。グッズを出している企業には、販売の促進や自社のPRにつなげる狙いもあるようだ。

    鼠小僧の墓

     江戸時代に「ねずみ小僧」として知られた次郎吉の墓がある東京都墨田区の回向院。狙った大名屋敷にするりと入り込んだ次郎吉にあやかろうと、年の瀬から足を運ぶ受験生らの姿も目立つ。

     墓石前の「お前立ち」という石を小石で削り、その粉をお守り代わりに持ち帰る風習があり、正月の三が日には順番待ちの列もできたという。同寺では「墓石に刻まれた戒名が『教えを速やかによく覚える』と読めることから、合格につながるとの解釈が広まったらしい」と説明する。次男の高校受験を控えた区内の女性は「息子にも御利益を」と話していた。

     「合格大仏」として評判なのは、東京・上野公園の上野大仏だ。

     管理する寛永寺などによると、元々は青銅製の座像だったが、関東大震災で頭部が落下、戦時中に胴体や脚部を国に供出して顔面だけが残った。こうした経緯から「これ以上は落ちない」と、受験生らが訪れるようになり、今年も合格祈願の絵馬で二つの絵馬掛けはいっぱいになった。

    企業PRにも

     「落ちない」「滑らない」とうたった合格グッズも数多く登場している。

     千葉都市モノレール(千葉市)は今シーズン、つり下げ式車両の安全装置に使うワイヤを2センチほどに切ってカプセルに入れた「落ちないお守り」(1個400円)を3000個用意。すでに約1800個が売れた。担当者は「安全を守り続けた縁起の良いワイヤ。クラスの生徒全員分をまとめて購入する先生もいた」と言う。

    • 「合格」に引っかけた、頭が五角形のゆるみ止めねじ
      「合格」に引っかけた、頭が五角形のゆるみ止めねじ

     入谷Yes工房(宮城県)は、地元特産のタコをかたどった3種類の文鎮「オクトパス君」(1個1500~3500円)を販売。タコを意味する英単語と「置くとパス(合格)」を引っかけたという。ねじ製造大手の日東精工(京都府)も、「合格」の語呂に合わせて、頭部が五角形の「ゆるみ止めねじ」を12月から3月まで毎月、100人(申し込み順)にプレゼントしており、担当者は「気を緩めず、成功をつかんでほしい」とエールを送る。

     このほか、菓子類では、九州の方言「きっと勝つとぉ」の語呂合わせで人気になった「キットカット」は、受験シーズンの売上高が応援キャンペーンを始める前の2002年と比べ約2倍になっているという。

     神戸大の栗木契教授(マーケティング論)は「受験は本人だけでなく家族らも巻き込むので、消費に及ぼす影響が大きい。癒やしや自分へのご褒美といった消費と同様、『縁起物』のカテゴリーも形成されつつある。企業のPRや浸透効果も期待できる」と話している。

     大学入試センター試験の解答速報はこちらで

    2017年01月10日 18時33分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ