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[第1部・イタリア]「アタックNo.1」に導かれ

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漫画「アタックNo.1」から受けた影響について語るバレーボールの元イタリア代表選手アンナマリアさん=中村光一撮影

 昨年11月、北京五輪への出場権をかけたワールドカップ(W杯)で初優勝し、本番でも初のメダルへの期待が高まるイタリアの女子バレーボール。競技人口でも男子の約7万5000人に対して、女子は約23万人と、圧倒的に「No.1」のスポーツとなっている。ここまで浸透した背景に、トリノ大学外国語学部の八木宏美・契約教授は「日本のアニメの影響が大きかった」と指摘する。

 2002年、イタリア女子は初めて世界選手権で頂点に立った。そのメンバーは、1982年に放映が始まった『ミミとバレーボールの仲間たち』を見て、バレーを始めたり、さらに熱中するようになっていた。当時の主将、アンナマリア・マラージさん(38)は、「みんな主人公のミミにあこがれていた。努力すれば、報われるとか、イタリアのアニメにはない面白さに、みんなが夢中になった」と少女時代を振り返って目を輝かす。『ミミ』と呼ばれたアニメは、『アタックNo.1』のイタリア語版だ。

 マラージさんは、男性に圧倒的な人気を誇るサッカーと比べ、汚れのないように見える点が特に女性から人気を得た理由だと話す。イタリアサッカー界は、ここ数年を見ただけでも、審判を巻き込んだ大規模な不正が発覚したり、サポーターの暴力や死亡事件が後を絶たないなど、暗い影に覆われている。

 一方、バレーは『ミミ』の影響もあり、友情や努力などをはぐくむいいイメージがあり、サッカーを毛嫌いする母親が娘たちに勧めるという。イタリア連盟広報のカルロ・リージさんは「(バレーは)女性は常に美しくありたいという、イタリア人の感性にも合っている」という。ネットで隔てられたバレーは、接触プレーによるけがも少なく、美しさを損なうほどの筋肉がつくこともない。

 1990年男子世界選手権優勝メンバーで、バレーの普及活動を行っているアンドレア・ルケッタさん(45)は「『ミミ』は自分にとって聖書のようなものだ」と言う。ただ、25年以上も再放送され続けているため、時代遅れの部分もあるとして、『スパイク・ガールズ』という“新約版”の製作を進めている。

 『アタックNo.1』の精神を受け継いだ作品は、来年末に放送開始予定。「子供にバレーの素晴らしさを知ってもらうのに、アニメは素晴らしい手段。これからの25年、『ミミ』の役割を果たすものにしていきたい」と、言葉に力を込める。(若水浩)

2008年5月2日  読売新聞)
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