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(5)水中の格闘技にエキサイト皆さんこんにちは。北京の街に本格的に黄砂が降り始めました。“舞う”ではなく、“降る、覆われる”という表現がぴったりです。髪の毛はザラザラ、喉はイガイガするので、外出を避けたいと思う日が、今後しばらく続きそうです。 そんな厳しい天候の中、週末におよそ1か月半ぶりとなる小雨が降りました。恵みの雨が降った3月22日(土)には、北京市内で他の競技に先立ち、水球の北京五輪組み合わせ抽選会が行われました。また、18日から23日までは、北京市内の英東遊泳館で水球のプレ北京五輪大会が開催されました。今回はその水球についてリポートしたいと思います。 ヨーロッパで人気の水球水球の北京五輪プレ大会は、3月18日から23日まで、男女各4チームが参加し、北京五輪のメーンスタジアム ・鳥の巣から程近い英東遊泳館で行われました。英東遊泳館は、1990年の北京アジア競技大会で使用されたた水泳場です。その後、北京五輪のために全面改装され新しく生まれ変わりました。敷地内には、近代五種が行われる陸上競技場や、ハンドボールが行われる体育館などがあり、普段は市民が気軽にスポーツを楽しむことができる憩いの場となっています。 私は21日(金)に行われた男子の予選を観に行きました。一番安い10元のチケットを購入し中に入ると、平日午後3時という時間にも関わらず、観客席の多くが埋まっていました。イギリスで生まれた水球は、特にヨーロッパで人気があります。スペインやイタリアなどにはプロリーグもあるということで、会場には、普段のプレ大会よりも多く、西洋人の姿が見られました。 水中の格闘技日本からは代表チームが出場していないこともあり、オリンピックでの水球への関心はあまり高くはありませんが、実際に観戦してみると、かなりの迫力です。 ルールも分かりやすく、ゴールキーパーを含めた7名が、水着と耳が保護される水泳帽子のみを身につけ、8分間×4ピリオドを戦います。攻撃は30秒以内と決められており、スピード感があります。イメージは、ハンドボールと水泳を足して2で割った感じ、とでもいいましょうか、泳ぎながらボールを運び、パスしてシュートと、たくさんの高度な技術が要求されます。また水球は、「水中の格闘技」といわれるほど、選手同士のぶつかり合いが多いスポーツで、大丈夫?と心配になってしまうほど、相手選手を水に沈めたり、キックを入れたりしている姿が観客席からも見られました。 選手にはぜい肉が必要今回のプレ大会には、強豪国の参加はありませんでした。特に男子の試合は、オーストラリア以外は中国代表、上海選抜、広東選抜が出場するなど、まるで国内リーグ戦のようで、力の差は歴然としていました。 中国と広東は17対11と点数の大きな開きはありませんでしたが、続くオーストラリア対上海の試合は、19対6と、上海がかわいそうに思えるほどの試合内容でした。上海にはラフプレーが多く見られ、20秒の退場を命じられる場面も多くありましたが、オーストラリアの選手も負けじと、審判に笛を吹かれないギリギリの範囲で、上海の選手を水中に沈めたり、激しく蹴りを入れたりする姿が見られ、観客の私たちもエキサイトしてしまいました。 また水球の選手の体形は、競泳のように逆三角形でスリムなのだろうと勝手に想像していたのですが、お腹周りにぜい肉がついた、あれ?と思うような選手も多く見られました。後日、大学時代水球部に所属していた友人に質問したところ、「水球はまず浮かぶことが大切なので、ある程度のぜい肉が必要になる。特に欧州の選手などは、タテもヨコも大きくて、その選手に上に乗られたら最後、沈められてとにかく苦しい。また水中では、互いに蹴りを入れ合ってけん制し合うので、打撲やひっかき傷は絶えない」と教えてくれました。聞けば聞くほど、ハードなスポーツなんですねぇ。 オリンピックにおける水球は、男子が1900年のパリ五輪から、女子は2000年のシドニー五輪から正式種目となっています。北京五輪には、男子12チーム、中国、米国、クロアチア、ハンガリー、スペイン、スロベニア、オーストラリア、モンテネグロ、ドイツ、ギリシャ、イタリア、カナダが、女子は8チーム、中国、米国、オランダ、オーストラリア、ロシア、ハンガリー、イタリア、ギリシャが出場し、8月10日から24日にかけて、英東水泳館で行われます。男子は、3連覇を狙うハンガリー、そして昨年秋の水球欧州予選を1位通過した、北京大会が初参加となる旧ユーゴのモンテネグロが優勝候補といわれています。 ◇ オリンピックでは普段知らなかった競技も観戦することができるので、皆さんも現場で、またはテレビ中継で、水中の格闘技のトップレベルの試合をご覧になってみてはいかがでしょうか。その前に、日本で中継されるのか、少々疑問ではありますが…。 (2008年3月24日 読売新聞)
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