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(29)ポイントは「風」、バドミントン&新体操・会場風の流れが結果を左右する室内競技といえばバドミントンと新体操です。思わぬ風でシャトルがそれたり、リボンが向きを変えたりしたのでは、それこそ結果は風まかせです。熱気でむせ返る観客席には風を送りつつ、コートは無風に近い状態に……。両競技の会場となる北京工業大学体育館では、この難問を見事に解決したのでした。 北京市南東部にある北京工業大学体育館では、8月の五輪でバドミントンと新体操の2つの競技が行われます。注目が集まるバドミントン女子ダブルスの“オグシオ”(小椋久美子、潮田玲子組)、新体操の“フェアリージャパン”が登場するので、日本の皆さんも会場の様子を目にする機会も多いかもしれません。昨年10月と12月にそれぞれプレ五輪大会が開かれたので、見に行ってきました。 体育館は北京市の南東部、地下鉄1号線の国貿駅からバスで約15分ほど。ほかのオリンピック施設からだいぶ離れた場所にありますが、近年急速に開発が進んでいる地域です。周囲には最新式の遊園地「ハッピーバレー」や巨大アウトレットモールなどがあります。 送風口を増やし解決バドミントンのシャトル、そして新体操のリボンは、会場内の「風」に大きく影響されます。国際バドミントン連盟の規定では、国際試合で会場の温度は26度前後、風速は毎秒0.2m以下という厳格な規定があり、北京大会でも当然遵守されます。通常の体育館では、夏場は天井にある通気口から冷気が吹き降ろされ会場を冷やしますが、それでは風の流れを作ってしまい試合に影響が出てしまいます。北京工業大学体育館では、各観客席の下に送風口を取り付けることで、風と温度の問題を解決しました。 観客席には2座席ごとに3つずつ、直径約13センチの送風口が取り付けられています。その数計9100にもなります。風の向きが9100の方向に分散されるので、風の流れが生まれにくくなるそうです。 オリンピックは8月の最も暑い時期に行われ、また、座席は全て熱狂的な観客で埋まります。会場の温度を26度前後に保ちながら、かつ風速を弱めるために考えられたのが、座席の下の送風口というわけです。 私が会場を訪れたのは10月と12月だったので、観客席に座っていても特に何も感じませんでした。本番で会場を訪れる方は、ぜひ座席の下をチェックしてみてくださいね。 また、もう一つの自慢は、なだらかなカーブを描くアーチ型の「天井」です。鉄筋コンクリートで出来たアーチ型の屋根は、直径が93mもあり、室内施設のアーチ型の屋根としては、世界一の規模ということです。確かに会場に入ったときの私の第一声は「屋根のカーブが美しい、そして大きい!」でした。写真で見てもお分かりいただけるのではないでしょうか。このほか、雨水を再利用する設備や、地熱を利用した冷暖房設備を整えるなど、環境に優しい構造となっています。 五輪後は、バドミントンの国家トレーニング施設として、また工業大学の学生、そして周辺地域住民が利用できるスポーツセンターとして利用されます。 卓球と並ぶ超人気のバドミントンバドミントンは、中国では卓球に並び、人気が非常に高いスポーツです。街を歩けば、子供だけでなく、大人同士が真剣に楽しんでいる姿を普通に見かけます。大学の体育館などには専用コートが何面もつくられ、ほとんどのスーパーでピンポン球とバドミントンのシャトルが売られています。テレビのスポーツ番組では、バドミントンの試合中継が頻繁に行われています。 国民的スポーツ、バドミントンの中国代表選手の中で特に注目を集めているのが、男子シングルス世界ランク1位の林丹選手(24)です。実力はもちろん、お洒落なスポーツ選手として、女性誌などにも頻繁に取り上げられています。また、フィアンセの謝杏芳選手は、同じくバドミントンの中国代表で、世界ランキングはこちらも1位(6月現在)。2人は一緒にテレビ番組に出演したり、雑誌の表紙を飾ったりと交際をオープンにしているのですが、8月の本番では、2人とも金メダルを獲得できるのか、国民の期待が高まっています。 バドミントンは8月9日から17日に、新体操は21日から24日に行われます。 (2008年6月23日 読売新聞)
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