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(59)「空の上を飛んでいる感じ」 走り高跳び鈴木徹選手

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メダルはなりませんでしたが、美しい跳躍を見せてくれました=荒木誠撮影

 「空の上を飛んでいる感じ。7万人の前で跳ぶのは本当に気持ちがいいですよ」――陸上男子走り高跳びで14日、鈴木徹選手(28)が1メートル93センチで5位に入賞しました。

 開会式で日本選手団の旗手を務めるなどリーダーシップを発揮した鈴木選手。試合後は「勝ちたかった」と無念さをにじませましたが、堂々と胸を張って鳥の巣を後にしました。

2メートルジャンプならず

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カーブに改良を重ねた義足を右足に付けている鈴木選手=荒木誠撮影

 「気持ちが前に出て、硬くなってしまった」――メダル獲得を目指して臨んだ北京大会でしたが、1メートル96センチへのチャレンジが3回とも失敗に終わり、こう振り返りました。優勝はアメリカのジェフ・スキーバ選手の2メートル11センチで、パラリンピック世界記録でした。

 鈴木選手は高校時代、ハンドボール部員として高校総体や国体で活躍し、筑波大へのスポーツ推薦入学が決まっていました。しかし、卒業目前の1999年2月、自動車事故で右足を切断。リハビリ期間中に走り高跳びを始め、シドニー、アテネの2大会連続で6位に入っています。3度目のパラリンピックです。2006年のジャパンパラリンピックでは義足のジャンパーとしては世界最高の2メートルを跳ぶなどメダルの期待もかかっていただけに、試合後は多くの記者が鈴木選手を囲みました。

「義足でメダルを」次回に期す

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試合後、取材エリアで丁寧に記者の質問に答えてくれました

 鈴木選手は自身の跳躍を丁寧に振り返ったあと、バッグから競技の際に着用していた義足を取り出し、ジャンプのために特別に加えたカーブなどについて説明してくれました。鈴木選手は「義足でもメダルが獲れるということを、次回に見せたい。帰国後はスポンサーを探して、4年後のロンドンでのメダルを狙います」と力強く締めくくりました。

 目標のメダル獲得がならず悔しさをにじませながらも、決して下を向くことなく記者の質問に答えていました。その後、16日に走り幅跳びで山本篤選手(26)が銀メダルを獲得し、競技用義足を着けた日本人陸上選手として初めて、パラリンピックのメダリストとなりました。

 走り高跳びの醍醐味(だいごみ)を「空の上を飛んでいる感じ」と表現した鈴木選手。「初メダル」は山本選手に譲りましたが、4年後には、多くの観客の前でより高いバーを越えてくれることでしょう。

2008年9月16日  読売新聞)
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