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(1)安藤美姫(フィギュアスケート)…4回転 もうこだわらない

表現力磨き「勝つためのジャンプ」

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4回転ジャンプへのこだわりを捨て、メダルを目指す安藤(10月23日のロシア杯で)=尾賀聡撮影

 安藤美姫が変わった。女子では、世界で安藤しか成功させたことのない4回転ジャンプを今季、封印している。大技への挑戦は「自分らしさの象徴」でもあったが、特別なこだわりを持って臨んだ初出場のトリノ五輪から4年。メダルに照準を合わせた2度目の大舞台の今季、選手としての成長がこだわりを変えた。

 転機は昨季の世界選手権だった。ショートプログラム(SP)4位でメダル圏内につけた。昨季は、試合で1度だけ4回転を跳んでいたが成功せず、その時も回避した。さらに、3―3回転ジャンプを3―2回転に難易度を落とした。ニコライ・モロゾフコーチの指示だった。「フィギュアはジャンプだけじゃなく、表現するスポーツ。それを理解できないなら、もう試合に出る必要がない」。言葉通り、ほぼノーミスで滑り切った結果、優勝した2007年以来のメダルとなる銅メダルがついてきた。

 コーチの言葉で、意識改革を遂げた安藤。今季は自身の開幕戦であるロシア杯を前に、「4回転は跳びません」と明言。優勝した後も、「自分はジャンプ、ジャンプと考えて、スケートをやってきたところもあるが、それが間違いだと気づいた。もう4回転にはこだわらない」と言い切る。

 オフは表現力に時間を割いて磨いた。ロシア杯、NHK杯でも昨季より高い評価を受け、技術点の得点源となるべき3―3回転ジャンプなしで、ほかのジャンプでもミスが出たにもかかわらず、2連勝した。

 表現者としての成熟がもたらした勝利だが、点数は伸びなかった。ロシア杯の171点台とNHK杯の162点台は、自己ベストの195・09点にも、最近の世界選手権メダルの目安である180〜190点台にも遠く及ばない。安藤は考えた。「表現力といってもジャンプは大事。バランスは難しいけれど、勝てる選手は両方備えている」。進歩した表現力がベースとして固まった今、カギは3―3回転の成功率アップ。五輪の表彰台には不可欠なテーマがはっきりと見えた。

 「勝つためのジャンプ」へのこだわり。それは、決して昔の自分への回帰ではない。安藤自身の実感による一歩先の「意識改革」の表れだ。(宮崎薫)

 バンクーバー五輪シーズンが本格化してきた。本番でメダルを狙うため、あるいは、五輪の大舞台に立つために――。新たな自分を探したり、ルール変更への攻略法などを模索したりする選手がいる。それぞれの<チェンジ>に光を当てた。

2009年11月24日  読売新聞)


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