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(5)小平奈緒(スピードスケート)…速さと持久力 団体の切り札

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スピードスケート女子団体追い抜きで、メダルへの切り札と期待される小平(ベルリンで、増田教三撮影)
こだいら・なお1986年5月26日、長野県茅野市生まれ。中学2年生の時、大学、高校生に交じって全日本ジュニアのスプリント部門で優勝、「スーパー中学生」と呼ばれる。今春、信州大教育学部を卒業。今季はベルリン大会で1000メートル2位、500メートル3位と好発進。1メートル64、61キロ。

 社会人1年目の小平が新しい挑戦に臨む。今季、ワールドカップ(W杯)初戦のベルリン大会女子1000メートル、500メートルで、連続して表彰台に立った力を団体追い抜きで発揮し、「日本の力」になる決意だ。

 日本女子はトリノ五輪で惜しくもメダルを逃す4位だった。本番まで、チームでまとまった練習が出来なかったことが大きい。強烈なライバル意識で競い合う実業団チームから、選手を選抜するための連係が取りにくい事情もあった。W杯でも個人種目との兼ね合いで、選手は試合ごとに変わる。レース直前に歩調を合わせる程度では、力を発揮することなど到底、望めなかった。だが今年、日本連盟の鈴木恵一強化部長が、「日本が勝つことにこだわる。言い訳を許さない」と大号令を下した。夏と秋の日本代表合宿で候補選手を集め、高いレベルのチーム編成を追求した。その切り札が小平だった。

 スピードはW杯の連続表彰台で実証済み。さらに10月の全日本距離別選手権では、1500メートルで日本記録を持つ第一人者の田畑真紀(ダイチ)を破った。500、1000メートルの短距離との3冠は史上初。「スタミナも武器になる」と強化スタッフをうならせた。速さとスタミナを併せ持つ日本選手は珍しい。羽田雅樹コーチは、「彼女を加えればレース中盤のスピードが維持出来る」と期待。中長距離偏重だったチーム編成に可能性が広がった。

 今月中旬のW杯ヘーレンフェイン大会。五輪の国別出場枠にも影響する大事なレースで、小平はトリノ五輪を経験している田畑、世界選手権5000メートル2位と成長著しい穂積雅子(ダイチ)に次ぐ、<第3のコマ>として初出場。チームは4位に入り、手応えを得た。大会通算5レース目でもあり、最後は疲労の蓄積で大きくタイムをロス。「足が残っていなかった」と頭をかいたが、仲間と戦う醍醐(だいご)味を知った。

 五輪本番でも個人種目との兼務となり、疲労の回復をどう図っていくか、課題は残る。だが、「この3人で勝てる。もっと練習しないと」と負けん気は人一倍だ。闘争本能はチームにも火を付けた。(畔川吉永、おわり)

団体追い抜き
 3人1組でチームを編成。空気抵抗を受ける先頭を交代しながら、女子はリンクを6周、男子は8周し、3番目にゴールした選手のタイムで競う。3人の呼吸とリズム、ペース配分が問われる。前回、トリノ五輪から正式種目となった。
2009年11月28日  読売新聞)


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