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浅田真央、「次も出たい」雪辱誓う

表彰式後、銀メダルを手にする浅田=小西太郎撮影

 金妍児(19)が真ん中に立った表彰式で、浅田真央(19)の顔からは表情が消えていた。笑いたいけど笑えない、泣きたいけど、涙は見せられない。

 ショートプログラムを含め、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を、3度も成功させながらの銀メダル。「五輪で3度決めたことは、誇りに思いたい」と気丈に語ったが、勝つためのプログラムをこなしながらも、同じぐらいの失敗があった自分が、悔しかったのだろう。

 4年に1度、女王の座を争う大舞台にふさわしい演技だった。金妍児が滑り終わった直後、会場の電光掲示板に表示された得点差は「154・78点」。浅田はフリーの自己ベストを20点以上更新しないと勝てない状況に追い込まれた。「(金妍児の)点数は見なかった」というが、会場の大声援で点差の大きさには気づいたはずだ。

 一つのミスも許されない中、浅田が最初に跳ぶのはトリプルアクセル。SPでも成功させた大技が、この日は2度ともピタリと決まった。しかし、「少し脚に疲れが来ていた」後半の3回転からの3連続ジャンプの1本目で着氷を乱し、次の単発3回転は、踏み切りでエッジがひっかかり、1回転になってしまった。

 幼い頃、母親の匡子(きょうこ)さんに、「ママ、プレッシャーって何?」と聞いたこともあるというほど、勝負度胸のある浅田でさえ、初めての五輪の雰囲気にのまれたのだろうか。後半にかけて体力が奪われ、ミスが出てしまった。

 トリノ大会後、金メダリストの荒川静香が引退し、「真央とヨナ」の時代が幕を開けた。昨年の世界選手権で金妍児が女子で初の200点超えを達成すると、1か月後の国別対抗戦で浅田もすぐに200点の壁を打ち破った。そして今大会で、200点を超える金メダル争い。「刺激になる」と、互いに認め合う2人が競い合うことで女子のレベルを上げてきたのは間違いない。

 ミスのない演技をした金妍児を「本当に強い人」とたたえ、「もっと頑張らないと、と思えるいいライバル」と認めた。金妍児は2014年のソチ大会まで競技を続けるかどうか明言しなかったが、浅田は「次もまた出たい」。表彰台の隣で歓喜の涙を流すライバルの晴れ姿を、目に焼き付けた。(宮崎薫)

2010年2月27日03時11分  読売新聞)
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