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    五輪トピックス

    ケンブリッジ飛鳥の体脂肪率4・4%はやはりすごい

    編集委員・三宅宏
    • 陸上の短距離選手には低い体脂肪率が求められる。写真はリオ五輪男子100メートルで予選を突破したケンブリッジ飛鳥(8月13日、竹田津敦史撮影)
      陸上の短距離選手には低い体脂肪率が求められる。写真はリオ五輪男子100メートルで予選を突破したケンブリッジ飛鳥(8月13日、竹田津敦史撮影)

     リオ五輪の陸上男子100メートルで準決勝まで進んだケンブリッジ飛鳥(ドーム)の体脂肪率は4・4%だという。短距離選手の体脂肪率が低そうなことは見た目からも分かるが、この4・4%というのはどのくらいすごいのだろう。また、五輪競技で、体脂肪率が低い選手が多い競技は何なのか、逆に高い選手が多い競技は何なのか。調べてみた。

     国立スポーツ科学センターの設楽佳世研究員(スポーツ科学博士)らは今年1月、ロンドン五輪日本代表候補選手530人の各種データをまとめた資料を発表した(別表)。それによると、陸上短距離男子選手の平均体脂肪率は「8±2%」となっている。2桁を切るこの数字もかなり低いが、ケンブリッジ飛鳥の4・4%はそれを大きく下回るのだから、やはりすごい。

     設楽さんは「競技力を評価するにはいろいろな要因があり、体脂肪率はそのうちのひとつ。競技によって関連するものと関連しないものがあり、体脂肪率だけでパフォーマンスを100%説明できるものではない」と前置きしたうえで、体脂肪率が低い選手が多い競技・種目の特徴を二つ挙げた。

     (1)競技時間が長い持久系の競技=陸上長距離、サッカーなど

     (2)高い筋力発揮が必要な競技=体操、レスリング・重量挙げ(特に軽量級)など

     陸上短距離に関しては、設楽さんは「(1)と(2)の双方を兼ね備えている」と分析する。一見、(1)のほうは適合しないように思えるが、「高い筋力発揮を持続的に発揮しないといけない」ということで該当するそうだ。また、「脂肪が少ないのと同時に筋肉量が多いことが大事」と言い、この点については、ケンブリッジ飛鳥は「この1年足らずで体重が約5キロも増えているのに体脂肪は減っている」ので全く問題はない。

    • シンクロナイズドスイミングは浮力をつけるため、ある程度の脂肪は必要だ。写真はリオ五輪デュエットのフリールーティーン予選で3位になった乾友紀子(手前)・三井梨紗子組(8月14日、金沢修撮影)
      シンクロナイズドスイミングは浮力をつけるため、ある程度の脂肪は必要だ。写真はリオ五輪デュエットのフリールーティーン予選で3位になった乾友紀子(手前)・三井梨紗子組(8月14日、金沢修撮影)

     今回の資料で、最も体脂肪率が低かったのは体操男子で、「5±1%」だった。内村航平(コナミスポーツ)や白井健三(日体大)の体格を見れば納得できる。脂肪がついていては、高度な回転やひねりはできない。

     サッカー男子は「9±3%」だった。五輪選手ではないが、ハリルホジッチ日本代表監督が「体脂肪率が12%以上の選手は代表に呼ばない」と話したというのも、このデータを見ると、何となく分かる。

     意外に思われるかもしれないが、競泳男子は「13±3%」と高かった。陸上短距離選手同様に筋骨隆々の選手ぞろいでも、よく見れば、陸上選手より肉付きがいい。これは、ある程度の脂肪をつけて、「水に浮くための浮力」を得ているためだ。従って、体脂肪率は高くなる。女子のシンクロナイズドスイミングも同じ理由で適当な脂肪が欠かせず、今回のデータでは「19±3%」で最も高かった。

     リオ五輪も後半に入って、体脂肪率的には両極端に位置する陸上競技とシンクロナイズドスイミングが始まった。種目特性と選手の体形・体格に注目しながら五輪を観戦するのも、面白いかもしれない。

    競技種目別の体脂肪率(%)
    【男子】 【女子】
    陸上短距離 8±2 11±4
    陸上長距離 10±2 12±4
    競泳 13±3 17±3
    体操 5±1 11±2
    柔道 12±7 16±8
    サッカー 9±3 16±4
    シンクロナイズドスイミング 19±3

    「日本人一流競技選手における形態および身体組成の競技種目特性」から(抜粋)

    2016年08月16日 12時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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