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    外出助けるトイレ情報

     出掛けた先でトイレがどこにあるのか、ちょっと探し回ってしまったという体験、多くの人にあるような気がします。きょうはさらに<外出先でトイレの設備が整っていないため困っています>という岡山県の寛恵ひろえさん(36)の手紙からお伝えしていきます。

     <私は排尿障害があり、カテーテル(細い管)を膀胱ぼうこうに挿入して排出する「自己導尿」という方法を取っています>。厚生労働省によると、手術の後遺症や脊髄損傷などがきっかけで、自己導尿を行う人は全国で5万人弱おられます。寛恵さんは2年前に突然、排尿が困難になったそうです。

     <カテーテルは清潔にしておかなくてはなりません。家では洗浄も慣れたものですが、外出時は多目的トイレでオストメイト(人工肛門などをつけた人)用に設けられた洗浄器を使っています。ただ、この洗浄器がない場合もあって、通常の深さの浅い洗面台だと、底にカテーテルの先が触れそうで、うまく洗えません>

     寛恵さんは1日に4~5回、自己導尿が必要で、出掛ける時はどうしてもトイレのことが心配になって、<以前に比べて外出を控えるようになりました>と言われます。

     車いすの利用者、乳幼児連れの親御さんもそうですが、外出先で多目的トイレ自体が見当たらなくて困るケースもまだまだ多いようです。2006年に施行されたバリアフリー新法で、オストメイト用の洗浄器を備えた多目的トイレは、一定規模の新築建物に義務化されましたが、すでにあった建物は努力義務にとどまっています。

     調べますと、役立ちそうなウェブサイトを見つけました。「Checkチェック  Toiletトイレット」は現在、全国約5万3000件の多目的トイレのマップを提供しています。室内の広さ、オストメイト用洗浄器やベビーシート、手すりの有無など設備の情報や、トイレ内の配置の様子も写真でわかります。

     運営するNPO法人の代表理事、金子健二さん(35)は旅行会社に勤めていた12年前、車いすを使うお客さんの旅を企画するにあたって、トイレに関してまとまった情報がほとんどないことに気づき、自らデータベースを作ることを思い立ったそうです。

     サイトは自治体や事業者のほか、個人で調べたトイレ情報も登録・更新でき、金子さんは「誰もがトイレを心配せずに、気兼ねなく外出できるようになれば」と10万件の登録を目指しておられます。

     寛恵さんはまた、<排尿障害は外から目に見える障害ではないので理解されにくいところがあります。知っていただけたら>ともお書きです。 外見からは分からない障害についてはこのところの日曜便でも時折、意識的にお便りを取り上げてきました。引き続きテーマとしたいと思っています。 (松永喜代文)

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    2015年02月01日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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