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    働き方改革家族のためにも

    働き方改革家族のためにも

     もう25年以上前の話になりますが、中学時代、朝のホームルームで、栄養ドリンクのCMソングだった「勇気のしるし」を、クラス全員で歌うという時期がありました。

     24時間戦えますか ビジネスマン――の歌詞に、覚えのある方も多いでしょう。

     広島県の40歳代の主婦田中香織さん(仮名)のメールを読んでいて、不意にこの曲のメロディーと当時の光景を思い出しました。「猛烈サラリーマン」(夫)の体調を心配しておいでです。

     〈1歳年下の主人は、住宅設備会社でメンテナンスを担当しています。毎日午前7時に家を出て、帰宅はいつも深夜か未明。休みの週末も土曜は毎週出勤しています〉

     ご一家は、幼い子供2人との4人暮らし。ご主人は納品した設備のトラブル対応などをされていて、体を酷使した働きぶりが伝わります。

     〈先日、ついに体調を崩し、病院で点滴を打ったのですが、翌朝はいつも通りに出勤しました。「会社に改善を申し出て」とお願いしても、「体はつらいけど、休んだら顧客に迷惑がかかるし、仕事がたまるだけ」と聞き流されます。体を壊さないか、うつ病にならないかと不安です>

     ご本人がその気なら上司や組合に相談する、行政機関に訴える、転職するといった手段が色々あるのでしょうが、現状はそこまで動く気配はなく、香織さんが一人気をもんでいる状態のようです。

     24時間戦えますか と私が歌っていた頃、猛烈に働くことは、無条件に「美徳」と捉えられていたように感じます。でも昨今は国も残業規制に動くなど、働き方の価値観も大きく変わりました。

     私自身、新聞記者になった15年前は休日出勤や深夜残業を当然のこととして働いていましたが、ずいぶん改善され、上司からは「休むのも仕事のうち」とよく言われます。

     好きで仕事に没頭しているなら尊重すればいいのですが、香織さんのダンナさんからは、責任感の強さ故の我慢やつらさもにじんでいます。ならば、家族がどれほど体調を心配しているか、ご本人に気づいてもらうことが第一歩かと。

     厚生労働省のホームページにある「ストレスセルフチェック」を夫婦でやるとか、体調管理に気を回しつつ「体を壊したら大変だよ」のメッセージを刷り込んでいくとか。

     子供に「体大事にね」なんて書いてもらうのも有効ですよ。私も、妻からの言葉は、聞き流したり、言い返したりすることも結構、多いのですが、子供(5歳と2歳)から「一緒に遊びたい」なんて言われると、胸に響いて、きちんと休日をとって実行に移すという……。

     働き方は、本人だけでなく、家族にも深く関係していますからね。(清家俊生)

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    2017年03月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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