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    電車内の化粧どう思います?

     2日朝、通勤電車の中で化粧をする2人の女性をみかけました。1人は座って、つけまつげをまぶたに乗せようと手鏡とにらめっこする学生風。もう1人は立ったまま、まゆ毛を描くスーツ姿でした。

     どう思われます? 私自身は人前での化粧は恥ずかしく、できません。人がするのは、満員電車などで周囲に迷惑がかからない限り、気にならない方ですが、この日は結構、混んでいて気になりました。

     こんな話を持ち出したのは、高知市の森沢澄乃さん(54)から投稿をいただいたからです。高校3年の次女(18)に「なぜ電車の中で化粧をしてはダメなの」と聞かれたそうです。

     親子2人で見ていたテレビ番組で「電車内での化粧」が話題になり、森沢さんが次女に「あなたはしないでね」と言った時のことです。

     〈娘は普段、私の車の送り迎えで通学していますが、毎朝、時間ぎりぎりで、車内で日焼け止めやリップクリームを塗っています。そのせいか、電車での化粧も「自分はしないと思うけど、時間がなければいいのでは」。私は「公衆の面前だから」と言ったものの、ダメで当然と思っていたので言葉に詰まりました〉

     この投稿に、日曜便の祝迫デスクは「一番嫌なのはイヤホンからの音漏れ。でも化粧も不快。においもするし、粉が飛ぶこともある」と、森沢さんと同じ「化粧拒絶派」でした。対して、高校時代、カップラーメンを電車内で食べ、「エライ怒られた」という別の記者は「化粧くらい、いいでしょ」と容認派で、社会部でも温度差がありました。

     大阪市交通局が2013年に市営地下鉄四つ橋線の利用客を対象に実施した車内の迷惑行為に関するアンケートでは「化粧」が1位でした。

     一方、電車の乗り換え案内サービスを提供する「ヴァル研究所」(東京)が昨年9月、全国の都市部に住む男女約3400人を対象にした調査では、電車やバスで「化粧をしたことがある」は女性全体の3割、20歳代で4割、40~60歳代でも2割に上り、13年の調査より軒並み増加。同社はこの一因として、働く女性が増え、仕事と家事の両立で「身支度の時間がとれなくなった」と推測しています。

     また羞恥心について研究する聖心女子大の菅原健介教授(社会心理学)は、「近年は都市化が進み、地域の関係が希薄。電車の中も見ず知らずの他人ばかりで、羞恥心が働きにくい」とご指摘でした。

     いろんな方の意見を聞き、公共空間での振る舞いのカギは「周囲がどう思うかと想像すること」だと、改めて思いました。時代と共にマナーのとらえ方は変化するものですが、周囲が快く過ごせるよう、行動を律していきたいですね。(南部さやか)

     お便りは、〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社社会部「日曜便」係、ファクスは06・6361・0733、メールはnichiyobin@yomiuri.comです。ウェブサイトでも読むことができます。「日曜便」で検索を。

    2017年11月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大阪本社社会部から
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