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    日本の宇宙開発と京都大学での取り組み 「隕石落下進路予測し回避」 生存圏研究所 山川宏教授

     かつて私は宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)などに所属し、地球の外へ出ようと、ロケットと人工衛星の研究開発に取り組んでいた。京大に移ってからは、地球の外からの飛来物から地球を守る研究をしている。

     飛来物の一つが隕石いんせきだ。地球上には毎日数十~100トンぐらい落下する。ほとんどが小さいものだが、時々大きなものも落ちてくる。1908年、直径約100メートルの隕石がシベリアの上空8キロほどで爆発し、半径30キロ程度の森林が炎上した。爆発は大気圏突入時の加熱や圧力、振動などで発生し、東京や大阪で起きたら、大きな被害が出るだろう。

    • 品川セミナーで講演する山川宏・生存圏研究所教授(東京都港区の京都大東京オフィスで)
      品川セミナーで講演する山川宏・生存圏研究所教授(東京都港区の京都大東京オフィスで)

     数十メートル級の隕石が地球に落ちる確率は100年に1度ぐらいと言われる。2年前、ロシア上空に飛んで来た隕石は、直径約17メートルとあまり大きくなく、上空約20キロで爆発したので、衝撃はそれほど地上に伝わらなかったが、それでも1000人以上が負傷した。

     隕石が地球にぶつかりそうな時、何をすべきか。大きなものは観測され、進路や衝突の可能性が計算できる。隕石に人工衛星をぶつけ、進路を変える方法しかないだろうと思う。

     使い終わったロケットや人工衛星などの「宇宙ゴミ」も問題だ。10センチ以上のものだけで、2万個弱が地球の周りを飛んでいると言われている。国際宇宙ステーション(ISS)は年に数回、ゴミとの衝突を避けるため軌道を変えている。

     京大生存圏研究所が滋賀県内に設置する「MUレーダー」は、高度500キロ・メートルまでの大気を観測できる。ゴミの観測にも使おうと研究している。

     □やまかわ・ひろし□ 1993年、東京大大学院工学系研究科博士課程修了。宇宙科学研究所(現JAXA)助教授、NASA(米航空宇宙局)客員科学者などを経て、2006年から現職。政府の宇宙開発戦略本部事務局長、宇宙政策委員なども歴任。

    2015年04月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大阪本社社会部から
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