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    情報社会の教育を考える 「共有の時代活用術必須」 学術情報メディアセンター 美濃導彦教授

     まず、情報とは何か。外界からの刺激を取り入れ、感覚や記憶を通じて行動を起こさせるものだ。通信技術ははるか昔の「のろし通信」から「電信」へと変わった。今の社会は情報をどう伝えるかの集大成と理解すべきだ。

     人間は気分や感性で情報を解釈する。だから、情報は一回しゃべっただけでは伝わらない。受け手が確認する作業が必要だ。つまり、情報は人間がいなければ発信されず、符号にすぎない。デジタル情報の特質は、人に渡しても手元に残ること、人によって価値が異なること。だから、情報技術(IT)の本質は、情報を共有し、人に応じて提供することと言える。

    • 美濃導彦・学術情報メディアセンター教授(東京都品川区で)
      美濃導彦・学術情報メディアセンター教授(東京都品川区で)

     情報社会とはネットワーク化された情報システムが社会基盤になること。膨大なデータが蓄積され、効率的なコミュニケーションができる。一方で、実世界と仮想的な世界があると考えるべきだ。モノや知識を持つことの重要性は薄れ、あなただけ、今だけ、というサービスが増える。

     情報に意味をつけられるのは人間だ。そこで考えられるのが、人工知能型情報処理。今までは符号だけで情報を処理しているが、コンピューターに推論させ、重要なデータを見つける。

     最後に教育。これからはコンピューター端末を身に着けて生きる時代になる。情報の使い方、危機対応を教育すべきだろう。

     若い人は受け身で、何を考えるべきかを見つける能力が落ちている。その前提で遠隔講義やeラーニングなどを利用し、個人に合わせた教育を考えるべきだ。

     □みのう・みちひこ□ 1983年、京都大工学研究科博士課程修了。同工学部助手、同工学部付属高度情報開発実験施設教授などを経て、2002年から現職。10年からは同大学情報環境機構長も務める。専門はメディア情報学。

    2015年10月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大阪本社社会部から
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