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    世界の森に霊長類を探る 「雪中で生活 ニホンザル希少」 霊長類研究所 湯本貴和教授

     ゴリラやチンパンジーなどの霊長類の研究は、霊長類である人間を知ることにもつながる。

     日本はこの分野の研究で世界をリードしてきた。日本にはニホンザルが生息し、サルが身近な動物だったからだろう。ちなみに欧州や北米には野生の霊長類はいない。

     ニホンザルは、雪の中で生活し、温泉にもつかる非常に珍しい霊長類だが、ほとんどの種類はアフリカ、東南アジア、南米・アマゾンの熱帯・亜熱帯域に生息している。それぞれ特徴的な環境が広がっており、霊長類の種類も生態も違う。

    • 湯本貴和・霊長類学研究所教授
      湯本貴和・霊長類学研究所教授

     アフリカは降水量が一番少ない。そのため高さが低い樹木と草原が広がっている。そこにはサバンナを生息地とするマントヒヒなどの霊長類がいる。一方、熱帯雨林が広がる地域もある。そこに生息しているのはゴリラだ。純粋な植物食で、葉の消化に時間がかかるため、食後は3時間くらい横になって食休みをする。

     中南米地域は、樹上で生活する小型の霊長類が多い。比較的大きいクモザルでも、ニホンザルよりも小さい。尾で枝をつかんで移動するウーリーモンキーという樹上生活に特化したものもいる。この地域の霊長類の多くは色を余り識別できない。そのためか、エサとなる果実は派手な色をしていない。

     東南アジアの代表的な霊長類は熱帯雨林に生息するオランウータンだ。しかし、熱帯雨林がどんどん減っており、このままでは生きられなくなる。豊かな自然を守っていくことがとても重要だ。

     □ゆもと・たかかず□ 1987年、京都大理学研究科博士課程修了。神戸大理学部講師、総合地球環境学研究所教授などを経て、2012年から現職。専門は生態学。

    2015年12月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大阪本社社会部から
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