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     新運営組織へ議論本格化

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     高速増殖炉「もんじゅ※」(福井県敦賀市)の新しい運営組織のあり方を決める文部科学省が設置した有識者検討会の議論が本格化してきた。6月までに新組織が備えるべき条件などをまとめ、馳文科相が日本原子力研究開発機構に代わる新組織を特定する。

    (山崎光祥)

     もんじゅを巡っては2012年11月以降、大量の機器点検漏れが相次いで発覚。13年5月には原子力規制委員会が機構に対し、運転再開の準備を禁じる命令を出した。だが、その後も保安規定への違反などが見つかり、規制委は昨年11月、運営を別組織に任せるよう馳文科相に勧告した。

     検討会は勧告を受けて昨年12月、委員9人で発足。今月19日の第3回検討会では、9日の現地視察に参加した委員から組織体制に関する意見が出された。

     このうち、日本原子力産業協会理事長の高橋明男委員は、国内外の商業用の軽水炉型原発で発生した事故や、規制などの情報を業務に反映させている事業者と機構を比較し、「情報収集に対する積極性の欠如が今回の問題につながったのでは」と指摘。情報収集・活用の仕組みを検証するよう求めた。

     学習院大教授(行政法)の桜井敬子委員は「機構は文科省との対応には慣れていて、文科省も機構に対して妙に優しく、内輪の雰囲気がある。だが、安全の問題は規制委に納得してもらう必要がある。その覚悟が足りない」と手厳しかった。

     現地視察では、委員と若手職員の意見交換会もあり、「保守管理の不備を改善したいが、人とお金が足りない」「炉の安全運転だけなら機構の存在意義が失われる。新たな技術に挑戦したい」といったコメントも紹介された。

        ◇

     日本の原子力政策の柱の一つとされる高速増殖炉計画の行方にも影響を与えるもんじゅ検討会の議論を随時報告していく。

     

     ※もんじゅ 高速増殖炉の原型炉で、出力は28万キロ・ワット。1994年4月に核分裂反応が連続して起きる臨界に達したが、95年12月、ナトリウム漏れ事故が起き、運転を停止。2010年5月に運転を再開したが、同8月に炉内の装置が落下するトラブルが発生し、これ以降、運転停止状態が続く。

    2016年02月29日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    大阪本社社会部から
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