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その16 忙しい人こそ、小さなストウブの鍋

我が家の小さなストウブ鍋

 「そんな小さな鍋、何に使うの?」たいていの場合、誰もがワタシにそう聞く。15年ほど前に初めて買ったホーロー鋳物製鍋が、この直径14センチのストウブの鍋である。以来、台所に出ずっぱり。米を炊き、みそ汁を作り、肉じゃがを作り、野菜を蒸し焼きにする。1〜2人分をおいしく作れるだけでなく、小さなサブおかずをちょこっと作る時にも大活躍だ。

 小鉢なら4人分の煮物が作れて、米なら2合が、蒸らしを含めて20分で炊きあがる。アサリの酒蒸しは5分で作り、そのままテーブルに並べる。忙しい人ほど、この小さな鍋を使いこなしてほしいと願う。

そら豆チーズごはんも20分で完成!

 残ったカレーやシチューも電子レンジで「チン♪」ではなく、この鍋で温め直す。2日目のカレーはおいしいというが、いつもの2日目×数倍はおいしくなっているから不思議だ(1日目に食べたくなくなるのが困るだけれど……)。じわじわと温め直すと、肉や野菜のうまみがゆっくりと目を覚ますので、素材にストレスを与えずにうまみが復活する、といったところなのか??

 鉄なべマニアのワタシはストウブ鍋も大小いくつか持っている。ほんの少しの違いだけで使い分けをしているが、それでも一番多く使っているのがこの14センチと16センチだ。煮る・焼く・蒸す・揚げる・燻す、何でもできる万能選手! ということは言うまでもないが、特に肉をじっくり煮込んだり、野菜をとろとろと優しく煮含めたいときには必ずこの鍋を使う。なにしろ(ふた)が重たいので、一度蓋をしてしまえば、隙間から漏れる蒸気は最小限。一度沸騰したあとは弱火で調理し、火を止めてからは余熱調理ができるから省エネにも優れている。

好きな鍋で覚えた料理は一生の友

ミニタマネギの蒸し焼きはバターを絡めて食べる

 1974年にフランスのアルザス地方で誕生したストウブ社。創業者フランシス・ストウブとミシェラン3つ星シェフと共同で開発され、依頼、数多くのレストランやシェフたちに愛されてきた。

 厚みのある鋳物ホーロー製なので、熱を均等に伝えてくれ、一度温まったら冷めにくく、保温性にも優れている。蓋をしたままオーブン調理ができ、もちろんIHなどあらゆる熱源に対応できる。隙間なくぴったりとしまる重くて厚みのある蓋は、自然と圧力がかかり、密閉性に優れているので、水蒸気を逃がさない。素材の持つ水分だけで調理ができる"無水料理"も可能だ。

 鉄なべは"重い"とはいえ、そもそもが小さいのだから、一般的な20〜24センチの鉄なべよりは取り回しはかなり楽である。鍋が小さいと料理が楽しくなるし、少しくらい失敗しても被害は小さくてすむ。何しろ"実験的料理"が心置きなくできるのがうれしい! たまには遊びながら料理をしよう! 遊びながら楽しんで覚えた料理は道具と同様に、「一生の友になる」とワタシは思う。

少量の水でOKの蒸し卵

 おいしく作るにはタイマーセットは必須! です。

鍋が小さくて五徳に乗らない場合は、網を敷くといい
塩やXO醤など、好みの味つけで食べる

 

蒸し卵
【材料】
卵 2個
塩、XO醤など好みで
【作り方】
1 鍋に水50ccを入れて沸騰させ、卵を入れて蓋をする
2 弱火で5分加熱し、すぐに火を止める
3 余熱で5分そのまま置き、水にさらす
そら豆チーズごはん
【材料】
そら豆(薄皮をむく) 10粒程度
米 1合
コンソメスープ 180cc
塩、こしょう 各少々
プロセスチーズ 適量
ローリエ 1枚
【作り方】
1 チーズ以外の材料全てを鍋にいれて炊く
2 炊きあがったらさいころ状に切ったチーズを入れて蒸らす
ミニタマネギの蒸し焼き
【材料】
ミニタマネギ 適量
塩、こしょう 各少々
タイム(生) 少々
バター 少々
【作り方】
1 ミニタマネギを鍋に入れて塩、こしょうをふり、タイムを散らして蓋をする
2 中火で15〜20分加熱し、竹串がすっと通ればできあがり。バターをからめて食べる
2012年2月14日  読売新聞)
プロフィール
みなくちなほこ/フードコーディネーター
スイーツからアウトドアまで幅広いジャンルを得意とし、身近にある材料で手軽に作れる、シンプルでナチュラルな料理に定評が高い。無類の「鉄鍋」好きが高じて、「鉄なべごはん会」を主宰する。春夏秋冬ごとに開催される料理教室「やさいのきょうしつ」もある。著書に「小さいサイズのストウブで作るおいしい毎日ごはん」「友だちが来る日のおもてなし」「トーストの本」「世界一おいしいソーセージのレシピ65」など。


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(2012年5月22日)[全文へ]

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