アクリル板削る「点削画」の個展…大分
大分県宇佐市下高家の会社員塚崎司孔さん(50)が、黒いアクリル板を針で少しずつ削り、人物や風景を描く「点削画(てんしょうが)」を考案し、創作活動に励んでいる。
制作には根気が要り、1枚完成させるのにほぼ半年を要する。中津市本耶馬渓町の有料老人ホーム「洞門の郷」内にあるギャラリーで初めての個展を開いており、大作の数々が入場者の関心を集めている。
点削画は、黒いアクリル板に下絵を描き、輪郭と影の部分を残し、それ以外の部分を針で削る。点を集めて絵にする「点描画」とは逆の発想で、黒い部分には手を加えない。
黒の濃淡は、表面を削る数と深さを微妙に変えながら調整する。黒い部分を削ると透明な層が現れるため、作品に色を付けたい箇所があれば、下紙に色を塗る。下紙を別の色にすると、雰囲気の異なる作品になるという。
塚崎さんは小さい頃から絵が好きで、就職後も各地のギャラリーで作品展を見て回っていたが、自ら描くことはなかった。
4年前、勤めていた会社を辞め、自宅で過ごしている時に当時、高校生だった長女が描いたスクラッチ絵(ひっかき絵)を眺めていると、創作意欲がわいた。点削画は何枚も絵を描いているうちに、ふと思い付いたという。
これまで全国公募の「創彩会」で奨励賞と佳作を受賞。珍しい手法のため、表彰式で、制作方法を説明したこともあるという。
「洞門の郷」での個展では作品10点を展示。このうち、着物姿の女性を描いた最新作の「静」は、憂いのある表情を表現するのに苦労した。再就職した会社の休日や夜に制作し、半年がかりで完成させた。
塚崎さんは「小さな失敗も許されないので、集中力を切らせない。鑑賞する人が驚き、感動してくれることが、創作意欲につながる」と話している。
梶原治孝施設長は「近くで見れば、精密さがよく分かる。完成度が高く、ただ驚くばかり」と感心していた。個展は3月中旬(日にちは未定)まで。無料。(柿本高志)
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