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<昭和50年代〜>バブル 狂乱地価と円高が生んだ一過性の好景気

全国最高路線価を4年連続更新した東京・銀座の「鳩居堂」前

 バブルの予兆はほとんどありませんでした。むしろ不況が慢性化していた時代。昭和57年(1982年)に政府が財政非常事態宣言を出し、それまで国が行っていた鉄道、電信電話、たばこ、航空などの事業を民営化することを決定します。

 一方、大沢商会やリッカーミシンの大型倒産、三菱高島炭鉱の閉鎖など暗い話題が尽きませんでした。こうした中、昭和61年(1986年)には経済企画庁が景気後退宣言を発表し、公定歩合が引き下げられます。

 このような慢性的不況の底流で、バブルが進行しつつありました。まず株価が徐々に上がり始め、昭和59年(1984年)初頭には日経平均株価が初の1万円台に乗り、昭和62年(1987年)初頭に2万円台を達成。その直後に一般向けに売り出されたNTT株は、5万円の額面に対して初値160万円を記録しました。

地価急騰で銀座「鳩居堂」前はハンカチ1枚600万円

 次に、日米通商摩擦を反映して円高が急加速していきます。その主役は地価の高騰でした。昭和61年(1986年)の首都圏の商業地が急上昇し、狂乱地価といわれます。

 昭和64年(1989年、平成元年)の最高路線価発表では、東京・銀座の「鳩居堂」前が4年連続第1位。価格は1平方メートルあたり2440万円で、ハンカチ1枚の広さで600万円と話題になりました。この傾向は地方も同じでした。日本全国の地価を合計するとアメリカ全土が丸ごと買える、といったジョークが話題になったのもこのころです。

 このジョークには、一部真実が込められていました。金余りと円高のために、日本企業は海外の土地や建物を買いあさっていきます。ついに平成元年(1989年)、ソニーが34億ドルでコロンビア映画を買収するに及ぶと、アメリカ人から「アメリカの魂を買った」と怒声を浴びてしまいました。

 このバブル景気の破綻(はたん)が始まったのは平成2年(1990年)。株価の暴落からでした。同時に債権や円も下がってトリプル安と呼ばれ、やがて土地も値下がりし始めます。あの好景気がバブル(泡)のように消えていくのに時間はかかりませんでした。

 (「昭和史検定」中・上級テキスト/中央公論新社刊より)

問1上級

 バブル景気のさなか、昭和64年(平成元年)の最高路線価発表では、東京・銀座の「鳩居堂」前が4年連続第1位を記録しました。その金額をめぐって、このとき話題になったのは?


(1)切手1枚の広さで600万円 (2)ハンカチ1枚の広さで600万円 (3)新聞紙1枚の広さで600万円 (4)畳1枚の広さで600万円


問2上級

 バブル景気に沸いた当時、不安な経済事件が連続して社会を騒がせましたが、このうちバブル期以外に起きた事件は?


(1)対米自動車輸出自主規制 (2)リクルート事件 (3)暗黒の月曜日 (4)消費税3%導入


問3上級

 働き盛りのサラリーマンの、ストレスによる過労死が社会問題となった昭和60年代のバブル期。労働省(当時)が過労死と認定した死亡原因に含まれないのは?


(1)心筋梗塞 (2)脳出血 (3)がん (4)解離性大動脈瘤


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2012年2月23日  読売新聞)


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(2012年5月22日)[全文へ]

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