かやぶき屋根並ぶ大内宿…下郷町
かやぶき屋根の
郷愁を誘う町並みが、目の前に広がった。約500メートル続く土の道に、名物のそばや土産物の店など、かやぶき屋根の古民家33軒が並ぶ。
かやは燃えやすいので、花火遊びができない。大内宿の子どもたちは、8月に1回だけ、廃校のグラウンドで開かれる花火大会を楽しみにしている。
江戸時代は北の会津若松と栃木県・今市を結ぶ
農業から観光業への転機は、大内宿が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された81年。当時、屋根の半数ほどはトタンに変わっていたが、かやぶき屋根の町並みに戻す取り組みが始まった。しかし、かやぶき職人の後継者不足に直面。吉村さんは働き盛りの45歳で町役場を退職し、かやぶき職人に弟子入りした。
大内宿町並み展示館で、パネル展示や映像を見ると、かやで屋根をふく工程は細かく、手間のかかる仕事であることが分かる。そば屋で生活を支えながら、修業をした吉村さんが、一人前のお墨付きをもらうまでに9年かかったという話にも、うなずくことができる。
吉村さんは仲間と、「大内宿
結の会では、今年から、蛍の里づくりにも着手。幼虫や、エサのカワニナを育てる適地を選び、先進地の視察も行った。蛍は、庭先で花火ができない子どもたちへのプレゼントだ。会長の佐藤義孝さん(55)は「来年の夏には、観光客にも蛍の光を楽しんでいただけるようにしたい」と話す。
町内は紅葉シーズンで、11月上旬までが見頃。湯野上温泉郷から車で約5分の阿賀川沿いにある国の天然記念物、塔のへつりは人気スポットの一つ。へつりは「川に迫る断崖」の意で、塔の形をした10の崖がそそり立つ。つり橋を渡り、浸食や風化で削られた凝灰岩に触れ、景観が作られた年月の長さに思いをはせる。
道の駅しもごうから南へ約4キロ・メートルの高台にある観音沼森林公園では、沼の周り約1・2キロ・メートルの道を歩いた。水面に映る山々と、浮島や水草が織りなす絵画のような世界に浸った。
原発事故の風評被害を受け、春夏の観光客は思わしくなかったが、復興を目ざし、文化財と自然を守る情熱が伝わってきた。(鳥居晴美、写真も)
●あし 東武線浅草駅、またはJR東京駅(郡山、会津若松経由)から、会津鉄道・湯野上温泉駅まで、3時間半が目安。東京から車の場合、東北自動車道・白河ICを経て約3時間。
●問い合わせ 下郷町観光協会=(電)0241・69・1144。
























