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よみうり写真大賞 第30回応募要綱
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スポーツカメラマン 中西祐介さんに聞く


第30回よみうり写真大賞・作品募集 高校生部門 フォト&エッセーの部新設


中西祐介さん
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ボクシングフェザー級8回戦、控室で孤独と恐怖にじっと耐える中村友彦選手(F・Iボクシングジム)。この時からすでに己との戦いが始まっている(2007年6月撮影)

 よみうり写真大賞では第30回から高校生部門に従来の自由の部に加え、「フォト&エッセーの部」を新設しました。これは2006年度まで10年間行われた「高校生のフォトメッセージコンテスト」(<財>国際文化フォーラム主催)を引き継ぐものです。その第1回最優秀賞を受賞し、現在はスポーツカメラマンとして第一線で活躍する中西祐介さん(29)に話を聞きました。(読売写真大賞事務局・米田育広)

◆じっくり 内側を撮る

 できるだけ時間をかけて撮る。これが私の撮影スタイルです。ボクシングジムに6、7年間通い続け、仕事とは別に自分の写真を撮っています。

 ファインダー越しに見たいのは試合より選手。彼らの強さより内側の弱さ、表の派手さより裏の孤独、必死に耐えている部分です。人を撮るという作業には、おのずと自分自身がそこに投影されるとも考えているので、彼らと重なる部分がどこにあるのか、いつも撮りながら自問しています。ですから本当に表現できたカットにたどり着くまで時間がかかります。

 11年前、当時18歳で応募した「高校生のフォトメッセージコンテスト」の作品作りがそのきっかけになりました。

 報道・ドキュメンタリーカメラマンにあこがれていた私は、コンテストの題材が「人間を撮る」ということに興味を持ちました。自分と同じ1人の高校生を5枚の組み写真と文章で表現するという試み。

 早速、私はモデルとなる友人を探しました。長期間撮影につきあってくれて、撮りたいという自分を理解してくれる人物。なかなか見つかりませんでしたが、演劇部に所属していた同級生が自分の思いに同意してくれました。

 それから半年間、じっくり彼を撮り続けました。前もって作った絵コンテから効率よく必要なカットを撮ることはいやだったので、とにかく彼に密着しました。当初は「自分の作品を認めてほしい」という気持ちが強く、「こういう絵が欲しい」と自分で決めつけ空回りしてしまいました。が、つきあっていく間に、今まで知らなかった彼の側面がわかるようになり、自分も肩の力が抜け、最後の方になってやっと写真が撮れるようになったと思います。

 フィルムで約200本、数千カットの多くはその最後の期間で撮影したものです。「最後の1か月のために無駄な5か月があった」と思えました。

 時間をかければその先に見えてくるものが必ずあります。小手先だけでなく、自分でぶつかっていかないと本当の写真を撮れないことがわかりました。

 また、このコンテストは撮るだけでなく、作品に文章をつけます。写真にエッセーを付けることを敬遠する人もいますが、写真も文章も自分の内面を表現するのは同じ。まずは思った通りに自分の気持ちを叫ぶことです。人の評価を考えず、まず書くこと。初めから完璧(かんぺき)に仕上げようとしなくていいのではないでしょうか。

 写真は(見る人に想像させる部分で)一人歩きすることがありますが、文章とワンセットになって力強くかみ合う部分があります。お互いを生かせば良いと考えます。

 幸運にも最優秀賞をいただいた表彰式には、モデルの日野くんだけでなく他の演劇部員ら大勢の仲間が駆けつけてくれました。「人と自分がつながっている」という感覚が芽生えました。

 写真が大量に消費される時代で、自分の写真が1枚でも多く残せるように今後も撮り続けたいと思います。

中西祐介「高校生のフォトメッセージコンテスト」第1回最優秀賞
「日野俊’S ドキュメント」より

 ぼくたちの学校は、日本でもユニークな単位制の高校です。生徒はどんなことも学校側から強制されることはありません。生徒自身が時間割を組み、自分の責任で学ぶことができます。ふつう日本の高校生の年齢は15歳から18歳ですが、ぼくたちの学校には18歳以上の生徒がたくさんいます。それぞれ人生経験が豊かで、人の「心のいたみ」のわかる人が多いようです。
 この写真は、ぼくの友人・日野俊くんのありのままの姿です。日本の高校生という一般的なイメージとはちがう、個性豊かな彼のまなざしを見てください。それぞれの場面で全くちがった表情をしているのがわかるでしょう。どれをとっても、すばらしい表情をしていると思います。

中西祐介さん 東京生まれ。東京工芸大芸術学部写真学科卒。講談社写真部勤務を経てアフロスポーツ入社。現在は、世界タイトルマッチのほか、F・Iボクシングジム(東京都板橋区)で、多くのボクサードキュメンタリーを撮影。7月7日〜18日にアフロスポーツ「スポーツ報道写真展『IMPACT』」出展(スペース・インタート=東京都港区北青山2の9の15(電)03・3475・8606)。写真集『IMPACT』(かぴさまエンターテイメント、税込み3400円)も同時発売。

2008年7月2日  読売新聞)
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