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    第36回

    総評 「人間」に踏み込んで…田沼武能氏

     どの部門の作品も確実にレベルアップし、狙いの定まった写真が多く、順位をつけるのには苦労した。自分の感動を、人へいかに伝えられたかという点で、わずかな差が出たに過ぎない。

     及第点が多かった高校生部門では、ただ美しいというだけではなく、人間的な面にまでも踏み込んだ作品が上位に入賞した。テーマ部門「感動」では、ファミリー部門同様、家族を題材にした作品が多かった。「ワァー!すごい!」は、子供自身の感動に魂がこもっている。人間ドラマを撮った作品はとにかく強い。

     天変地異が多かった昨年。ニュース&ドキュメンタリー部門では、緊迫した様子を的確に捉えた写真が入賞した。予期せぬ噴火で、多くの登山者が亡くなった御嶽山。言葉だけでは決して伝えきれない状況が、写真データには残されていた。また、小笠原の海に集結したサンゴの密漁中国漁船は、外交問題の証拠を突きつけた。

     どんな事態にあっても記録を残し、世間に伝えようという志を持つ人の存在は大変貴重だ。けがには気をつけて、これからもどんどん写真を撮って、そして送ってもらいたい。

    審査委員
    今岡昌子、田沼武能、三好和義(以上写真家)
    山本一力(作家)
    秋山哲也(読売新聞東京本社写真部長)、土屋功(大阪本社写真部長)、山岸直子(西部本社写真部長)

     第36回よみうり写真大賞(主催・読売新聞社、協賛・ニコンイメージングジャパン)のニュース&ドキュメンタリー、テーマ、高校生、小中学生、ファミリーの5部門の受賞作が決まった。応募総数は3万点超。表彰式は24日に読売新聞東京本社で。入賞作品は3月27日の東京を最初に、大阪、福岡、浜松で巡回展示される。(敬称略)

     

    4会場で発表展   東京・大阪・福岡・浜松
    ◆富士フイルムフォトサロン
    【東京】
     3月27日(金)~4月2日(木)東京都港区赤坂9の7の3フジフイルムスクエア(電)03・6271・3351
    【大阪】
     6月19日(金)~25日(木)大阪市中央区本町2の5の7大阪丸紅ビル1F(電)06・6205・8000
    【福岡】
     7月3日(金)~8日(水)福岡市博多区住吉3の1の1富士フイルムビル1F(電)092・510・4803
    ◆クリエート浜松
     11月30日(月)~12月6日(日)浜松市中区早馬町2の1(電)053・453・5311

    ※作品展では、ニュース&ドキュメンタリー、テーマ、高校生部門の大賞から入選まで、ファミリー部門の大賞と各シーズン優秀賞、小中学生部門の優秀賞作品、計100点を展示します。
    2015年01月27日 10時26分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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