文字サイズ
    第38回

    ニュース&ドキュメンタリー部門

    【大賞】「台風10号の爪痕」(4枚組み)(2016年9月3日~10日、岩手県岩泉町で)

    有田勉(75) 岩手県宮古市

    【1席】「博多駅前、道路陥没」(2016年11月8日、福岡市博多区で)

    古賀朗(26) 福岡市

    【1席】「倒壊した阿蘇神社楼門」(2016年4月16日、熊本県阿蘇市で)

    中島友哉(18) 阿蘇市

    【2席】「釧路で連続殺傷事件」(2016年6月21日、北海道釧路市で)

    斎藤剛史(45) 釧路市

    【2席】「コイの餌食べるクマ」(2016年6月27日、山形県尾花沢市で)

    森山洋(84) 尾花沢市

    【2席】「3人の入学式」(4枚組みの1枚)(2016年4月7日、茨城県石岡市で)

    太田晃(75) 石岡市

    選評 緊張、興奮気持ち揺さぶる 三好和義

     報道写真は事故や災害の現場を伝える。写真は美しさを伝えるだけではない。一枚の写真から緊張感や興奮した気持ちが伝わって来る。それが写真の持つ力だ。キャプションがなくとも、写真のみで気持ちを揺さぶってくれるのが、醍醐味だ。

     大賞の「台風10号の爪痕」は、組み写真ではあるが一枚一枚の写真から伝わる力がすごい。フレーミングやアングルなど的確なテクニックが絵画的だ。しかし、「現実なんだ」との驚きがある。水が引いた地面のひび割れた質感ときれいな車体のコントラストが、すごみを増している。

     「博多駅前、道路陥没」は、事故の前段階から捉えた現場写真だ。人の気配もなく、黒い巨大な穴が不気味だ。熊本地震の被害を伝えた「倒壊した阿蘇神社楼門」は、自分の思い出の場所をストレートに正面から捉えた。地震の被害がダイレクトに象徴的に伝わっている。

     事件の空気感がリアルに伝わってくるのが「釧路で連続殺傷事件」だ。一方で、ほのぼのとした現場の雰囲気が伝わってくるのが「3人の入学式」。子どもたちは緊張しながらも興奮している様子が見える。アングル、組み合わせが良く、うまくまとめている。「コイの餌食べるクマ」は、現場に近い緊張感がある。のどかな水辺にクマが現れた驚きがある。

     報道写真は、現場に居合わせ、カメラを向ける。その臨場感、緊張感が見て伝わる。「写真を撮ってみよう」という気持ちを若い人だけでなく、多くの人が自分のものにしている。

    2017年01月20日 14時41分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP