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    第38回

    テーマ「感動」部門

    【大賞】「感動をありがとう」

    中根英治 (43)埼玉県久喜市

    【1席】「修業時代」

    大門重久 (72)宇都宮市

    【1席】「四時間の激闘のゴール」

    矢津充浩 (73)長崎県佐世保市

    【2席】「夏少女」

    藤井孝美 (54)山口県周南市

    【2席】「ガンバレ!」

    三木雅也 (55)香川県観音寺市

    現場に居合わせる「非凡」 選評 山本一力

     幕末の風雲児・坂本龍馬も、きっと最初は大したことはなかった。しかし彼は、黒船が来た時、江戸にいた。そこが、すごい。今回の入賞者も皆、いい現場に居合わせている。そこに、写真を撮る人としての非凡さを感じる。

     大賞の「感動をありがとう」は、見ていて楽しくなる作品だ。

     リオ五輪・パラリンピックの日本人メダリストたちの銀座パレード。感動を与えてくれるのは選手たちだが、このアングルから写し取った盛り上がり感も、見る者につかみかかってくる。

     これは物語の力ではなく、一瞬のなせるわざだ。

     小説を書くときも、感動させようとすると伝わらない。パレードに集まった人たちが自然に「ウオー」となり、一斉に携帯電話で撮影している。バスの位置もいい。ここからでないと、あの絵にはならない。

     1席の「修業時代」も、よくぞそこに力士がいて、よくカメラを持っていたと思える作品だ。同じく「四時間の激闘のゴール」には、過酷なレースで選手がやってきたことが、この1枚に見事に切り取られている。

     2席の「夏少女」の笑顔には引き込まれる。どうすればこの笑顔を撮れるのだろう。作らず、いい瞬間を逃さなかった。だから、感動が伝わってくるのだろう。

    2017年01月20日 14時38分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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