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    「解除」それぞれの決断

     東日本大震災から6年が過ぎた。福島県の浪江町と富岡町では、東京電力福島第一原発事故による居住制限などが31日と4月1日に解除され、帰還困難区域をのぞく両町民の7割以上の計2万4871人が帰還可能になる。しかし、復興庁などの調査で「戻りたい」と積極的に答えた人は2割に満たず、一つの区切りを迎えても住民の苦難は続く。

    「戻ります」

    • 自分の土地に家を建て直すという宇都宮六也さん。最近出来た図面を手に「本当に、ここに自分の家が建つんだなぁって、感動した」(11日、福島県浪江町で)
      自分の土地に家を建て直すという宇都宮六也さん。最近出来た図面を手に「本当に、ここに自分の家が建つんだなぁって、感動した」(11日、福島県浪江町で)

    「戻れません」

    • 富岡町の自宅に戻らず、6年近く暮らした福島県いわき市の仮設住宅から同市内の復興住宅に移る半谷光子さん。「家も無事だったし、すぐに帰れると思ってたんだけどね」(2月8日、福島県いわき市で)
      富岡町の自宅に戻らず、6年近く暮らした福島県いわき市の仮設住宅から同市内の復興住宅に移る半谷光子さん。「家も無事だったし、すぐに帰れると思ってたんだけどね」(2月8日、福島県いわき市で)

     「自分の土地に住める喜びは、何にも代えられないよ」。昨年11月、帰還に向けた準備のための宿泊が出来るようになると同時に宇都宮六也ろくやさん(76)は浪江町に戻ってきた。

     避難指示が解除されたら新しい家を建てようと、地震で壊れた自宅の一部を一人で改装し、帰還の準備を急ぐ。高齢などを理由に運転免許を返上し不便も多いが、今年の大みそかは、離れて暮らす妻、長男と一緒に食卓を囲むのを楽しみにしている。

     富岡町で生まれ育った半谷はんがい光子さん(86)は古里に戻らず、同県いわき市の復興住宅に移ることにした。市内の仮設住宅暮らしが6年を数え、「自分だけでは生活が成り立たない」と話す。

     富岡町には震災前に亡くなった夫の墓があり、帰還をあきらめきれなかった。しかし、今の生活で友人との絆もでき、心は揺れた。

     「少しでも富岡の近くにいたい」。引っ越す復興住宅は、今の仮設より富岡にわずかながら近い。それが救いとなっている。

     (写真・文 三浦邦彦)

    浪江町

    • 人の気配がない町の中心部を照らす街灯
      人の気配がない町の中心部を照らす街灯

    • 浪江東中にある放射線量測定装置
      浪江東中にある放射線量測定装置

    • 今春の運行再開に向け試運転中の常磐線
      今春の運行再開に向け試運転中の常磐線

    • 整備が進む集合住宅
      整備が進む集合住宅

    • 帰還困難区域の民家の庭に実る柿
      帰還困難区域の民家の庭に実る柿

    • 震災前は多くの人でにぎわっていた請戸(うけど)海水浴場
      震災前は多くの人でにぎわっていた請戸(うけど)海水浴場

    • 工場の窓を覆う枯れたつるや葉
      工場の窓を覆う枯れたつるや葉

    • 工場の壁に掛けられていた2011年3月のカレンダー
      工場の壁に掛けられていた2011年3月のカレンダー

    富岡町

    • 30日に全館オープンする複合商業施設「さくらモールとみおか」
      30日に全館オープンする複合商業施設「さくらモールとみおか」

    • 避難所だった富岡第二中の体育館
      避難所だった富岡第二中の体育館

    • 整備が進むJR富岡駅周辺
      整備が進むJR富岡駅周辺

    • 放置されたままの乗用車
      放置されたままの乗用車

    • 真新しい机や椅子が並ぶ富岡町役場の本庁舎
      真新しい机や椅子が並ぶ富岡町役場の本庁舎

    • 商店の窓に残されていた6年前の祭りのポスター
      商店の窓に残されていた6年前の祭りのポスター

    • 急ピッチで整備が進む災害公営住宅
      急ピッチで整備が進む災害公営住宅

    • 放置されボロボロのバイク
      放置されボロボロのバイク

    • 青空の下で梅の花がほころび始めた
      青空の下で梅の花がほころび始めた

    2017年03月13日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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