文字サイズ

    日本の家事に助っ人

     働く女性らの家事を手助けする海外からの人材受け入れが、この春始まった。

     国家戦略特区(神奈川県、大阪市、東京都)の規制緩和を利用した家事支援外国人受け入れ事業。安倍内閣の目玉政策の一つ「1億総活躍社会」実現に向け、日本人女性の社会進出を後押しする狙いがある。既に人材派遣会社など6社が受け入れ企業の認定を受けている。

    • 「上を向いて作業しても液だれしないよう、ゴム手袋の裾は折り曲げて。キッチンの戸棚の取っ手は汚れた手で触るので、念入りに拭き上げて」。講師からの指導が飛ぶ中、研修に臨むアナリン・レデスマさん(25)。認定企業に雇用される外国人スタッフは母国での1年以上の実務経験と日常会話程度の日本語が話せることなどが条件となる(4月21日、大阪府吹田市のダスキンスクールで)
      「上を向いて作業しても液だれしないよう、ゴム手袋の裾は折り曲げて。キッチンの戸棚の取っ手は汚れた手で触るので、念入りに拭き上げて」。講師からの指導が飛ぶ中、研修に臨むアナリン・レデスマさん(25)。認定企業に雇用される外国人スタッフは母国での1年以上の実務経験と日常会話程度の日本語が話せることなどが条件となる(4月21日、大阪府吹田市のダスキンスクールで)

     清掃関連会社ダスキン(大阪府吹田市)に4月、8人のフィリピン女性が入社した。同社の家事支援サービスは1989年の開始以来、右肩上がりの成長を見せるが、最近は働き手の確保が課題となっている。同社では、2018年度までに100人前後を受け入れる方針だ。

     来日後の研修では「ドウゾ、オキヅカイナサラナイデクダサイ」などとスタッフが発声の練習を繰り返した。

     清掃方法などの実務以上に難しいのが、日本流の接客マナーだという。「お客さまからお茶を勧められても、丁重にお断りするように。トイレもお客さまのお宅へ伺う前に済まし、使ってはいけません」。講師から言葉遣い、しきたりについて細かく指導される。条件や訓練は厳しいが、採用されると正社員として所属企業の厚生年金に加入し、賃金は日本人従業員並みかそれ以上になる。

     今月から日本人スタッフと現場に出始めたマルー・ブエナベントゥラさん(35)は「フィリピンに残してきた子供たちにより良い教育を受けさせるためがんばりたい」と語る。

     労働人口の減少が心配される日本。外国人労働者が救世主となるのか。

     写真と文 川崎公太 田村充

    • 入国時の温かい歓迎に笑顔をみせるカルロタ・タカハシさん(38)(手前)らフィリピン人家事支援スタッフら。空港ではフィリピンの国旗や「Welcome to Japan」の大きな横断幕を手にした日本人社員が出迎えた(4月16日、関西空港で)
      入国時の温かい歓迎に笑顔をみせるカルロタ・タカハシさん(38)(手前)らフィリピン人家事支援スタッフら。空港ではフィリピンの国旗や「Welcome to Japan」の大きな横断幕を手にした日本人社員が出迎えた(4月16日、関西空港で)

    • 家事支援サービスを検討する家庭で、先輩スタッフ(左)の指導の下、通勤の際に着ていたスーツからエプロンに着替えるアミラ・レブレスさん(33)(3月28日、神奈川県内で)
      家事支援サービスを検討する家庭で、先輩スタッフ(左)の指導の下、通勤の際に着ていたスーツからエプロンに着替えるアミラ・レブレスさん(33)(3月28日、神奈川県内で)

    • 人材派遣業のパソナが用意した冷暖房、Wi―Fiなどが完備した3LDKの社員寮。マカオで住み込みで働いた経験をもつスタッフの一人は「プライベートで自由な時間が毎日あるなんて夢のようです」と語った(3月29日、神奈川県内で)
      人材派遣業のパソナが用意した冷暖房、Wi―Fiなどが完備した3LDKの社員寮。マカオで住み込みで働いた経験をもつスタッフの一人は「プライベートで自由な時間が毎日あるなんて夢のようです」と語った(3月29日、神奈川県内で)

    • 寮の部屋で、自分で作ったカードを使い日本語を覚えるアブエグ・ベリゴンさん(34)。本国で既に家事支援の仕事をしていた彼女たちにとって、日本文化に慣れることが最初の関門だ(3月29日、神奈川県内で)
      寮の部屋で、自分で作ったカードを使い日本語を覚えるアブエグ・ベリゴンさん(34)。本国で既に家事支援の仕事をしていた彼女たちにとって、日本文化に慣れることが最初の関門だ(3月29日、神奈川県内で)

    2017年05月15日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP