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    東京マラソン2015

    苦戦続いた「山の神」…日本人トップ7位

    • 男子で、日本人トップの7位でゴールした今井=松本剛撮影
      男子で、日本人トップの7位でゴールした今井=松本剛撮影

     10回目のマラソンにして初めて見せる表情だった。ゴールまで残り300メートル。今井はサングラスを外し、頭に掛け直した。「これまでゴールで笑ったことがない。笑顔を見てもらおう」。自己記録を2分近く縮め、日本歴代6位の好記録を晴れやかな笑みで飾った。

     31キロ過ぎ、ペースを上げた先頭集団から遅れたが、ここからしぶとかった。上体がぶれないように腕をまっすぐ引き、股関節を意識して脚を回す。取り組んできたフォームの修正も実り、「今までと違い、体が動く感覚があった」。40キロ付近で2時間4分台の記録を持つケベデもかわした。

     「日本記録を出してもおかしくない」(森下広一監督)という力がありながら、レースでは失敗ばかり。今大会に向け、単独で行っていた練習を見直し、若手をパートナーにつけた。「疲れたからペースが落ちる、ではダメだ」と監督。今井の苦しい局面で徹底的に仕掛けさせた。やがて、今井から線の細さが消えた。

     ファンの記憶は箱根駅伝で活躍し、「山の神」と呼ばれた頃で止まっている。今井自身、目標の世界へ近づけず、期待に応えられない自分に歯がゆさを覚えていた。ようやく新たな一歩を踏み出し、「やっとここまできた。ここからが本当の勝負」と力を込めた。

     雑草のように何度も立ち上がり、初めての日の丸へ大きく前進した30歳。「世界で勝つという思いがずっと心の真ん中にある」。練習拠点の福岡に「春一番」が吹いた日、待ち望まれた大器が力強く芽吹いた。(平野和彦)

    2015年02月23日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
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