文字サイズ
    ランニングに関するコラムやイベントの特集記事を掲載します。
    走るアナウンサーのSmile & Beauty!

    [浅利そのみ]ゴール目指す子供たちへ、心からのエール

    • asicsブースでは、高橋尚子さんや有森裕子さんのトークショーなど、毎日盛り上がりました!
      asicsブースでは、高橋尚子さんや有森裕子さんのトークショーなど、毎日盛り上がりました!

     まさに、「東京がひとつになる日。」――。先週の日曜日、2月22日に東京マラソンが盛大に開催されました。

     まずは、走られたランナーの皆さん、ボランティアスタッフ、応援の皆さん、そして、この日のために長い長い時間をかけて準備をしてきた大会関係者の皆さん、お疲れさまでした。

     私にとっても、駆け抜けた5日間でした。EXPO前日からリハーサルが続き、EXPO初日は、テープカットセレモニーのMC、そしてasicsブースのトークショー、東京マラソン財団のトークショーでMC。本当に盛りだくさんで、(しゃべ)ってばかりの幸せな時間を過ごしていました。

     そして東京マラソン当日。まずは10キロ地点で車いすの部とフルマラソンの応援。久々だったので、それはそれは熱が入り、「午後からまたMCをするんだから、声のボリュームを調節しなさい!」と、一緒に応援した仲間に突っ込まれるほど。自分が走っている時、大きな声で声援を送ってくれる人のところには必ず近寄って、ハイタッチをします。その逆パターン。「ナイスラン!」「楽しんで~!」と大声で叫んでいると、自然とランナーが寄ってきてハイタッチしてくれる。外国人の方も走りながら一緒に盛り上がる。今回、テロ警戒でピリピリした雰囲気はありましたが、やはりマラソンは世界共通のルールで、プロの選手も市民ランナーも同じ日に同じコースを一緒に走れる、とても素晴らしいスポーツであることに間違いはないなと、改めて感じました。

     喉を守りながら応援した後は(笑)、フルマラソンの残り1キロ地点である、東京臨海広域防災公園へ。実はここで「東京マラソンファミリーラン2015」が開催されていたのをご存じでしょうか? ファミリーランは名前の通り、親子1組で走るのがルール。お父さんと娘さん、おばあちゃんとお孫さんでもOK。小学1~3年生は1.1キロ、小学4年~6年生は1.8キロ。競走ではないので計測はありません。うれしいのは、フィニッシュ地点がフルマラソンと同じということ! つまり、子供たちはもちろんですが、東京マラソンに落選してしまったお父さんやお母さん、普段走っていない大人の方でも、あの東京マラソンのフィニッシュゲートをくぐることができるのです。なんとも魅力的! 私はそんなミーハーな気持ちもあり、無理をいってゼッケンをもらい、最後尾から走ることになっていました。

    • 体験型ブースもたくさん。ここでは雑誌「AERA」の表紙を飾った写真が撮れました(笑)
      体験型ブースもたくさん。ここでは雑誌「AERA」の表紙を飾った写真が撮れました(笑)
    • EXPOで仮装しているランナーもいましたよ!
      EXPOで仮装しているランナーもいましたよ!

    笑顔がはじけた「東京マラソンファミリーラン」

    • ファミリーランを一緒に盛り上げた齊藤太郎コーチ(左)と、東京マラソンウィーク2015宣伝部長のM高史さん(右)
      ファミリーランを一緒に盛り上げた齊藤太郎コーチ(左)と、東京マラソンウィーク2015宣伝部長のM高史さん(右)
    • こんにちは!のかけ声に、大きなお返事が! それだけでもうれしかった!(東京マラソン財団提供)
      こんにちは!のかけ声に、大きなお返事が! それだけでもうれしかった!(東京マラソン財団提供)

     ファミリーランには994組の親子1988名が参加。子供たちのイベントMCは久々だったため、若干の緊張があったものの、「こんにちは!!!」の大きなお返事に、私もニッコリ。お笑いアスリート芸人で、東京マラソンウィーク2015宣伝部長でもあるM高史さんのラジオ体操&ものまね体操で体も心もさらに温かくなり、集合写真で参加者たちとひとつに。まずは1~3年生、続いて4~6年生を見送ります。高学年は防災公園を1周ぐるりと回ってから道路に出るので、その1周をハイタッチで出迎えて、一番後ろから走り始めました。ハイタッチの時もとにかく子供たちは元気いっぱい! 笑顔でどんどん駆け抜けていく。それに必死についていくお父さん、お母さん(笑)。道路に出ると、ここまで頑張って走ってきたフルマラソンのランナーと合流します。子供たちは「頑張って―!」と足を引きずっているランナーに声援を送りながら横を走る。その光景にグッとくるものがありました。

     息が切れているお母さんの手を引っ張って走る娘さん。息子さんに頑張って追いつこうと汗だくのお父さん。小学校高学年というと、少しずつ親離れしていく頃だと思いますが、お互いが相手を思いやり、フィニッシュを一緒に目指す。心が熱くなりました。

     できるだけ多くの子供たち、保護者に声をかけてフィニッシュゲートまで送り、そのまま私も一緒にフィニッシュすることもできたのですが、どうしても全員のランナーに完走してほしい……。実は私が走り出した時、ある女の子が泣き出して、走るのをやめようとしていました。トイレが我慢できなかったのです。場所を教えてすぐ、私はそのまま走って行ってしまったのですが、彼女のことが心配でコースを逆走し始めました(怪しいランナーと思われ、無線で連絡されるところだったらしい〈笑〉)。すると、前方から一生懸命お母さんと手をつないで走ってくる彼女の姿が!

    • 競走じゃないといっても、ついつい頑張ってしまうスタート(笑)(東京マラソン財団提供)
      競走じゃないといっても、ついつい頑張ってしまうスタート(笑)(東京マラソン財団提供)
    • 手をつないで笑顔でフィニッシュ!(東京マラソン財団提供)
      手をつないで笑顔でフィニッシュ!(東京マラソン財団提供)

    いつか、私も自分の子供と――

    • 来年もぜひ、たくさんの笑顔に出会えますように!(東京マラソン財団提供)
      来年もぜひ、たくさんの笑顔に出会えますように!(東京マラソン財団提供)

     たった1.8キロの短い距離かもしれません。でも彼女にとってはとても長く、途中で少し苦しそうな表情もしていました。それでも、完走してメダルをもらって、走り切った自信をつけてほしい。私の勝手な気持ちでしたが、彼女と手をつなぎながら走っていると、その気持ちに必死に応えようとしているのが伝わってきました。そして、フィニッシュゲートが目の前に! 私はつないでいた手をそっと離し、彼女はお母さんと一緒に笑顔でフィニッシュ! 私は涙で目の前が見えなくなっていました。

     元気いっぱいの子供たちはもちろんですが、障害を持っていても、病気と闘っていても、彼らはみんな同じコースを笑顔で駆け抜けていきました。「フィニッシュゲートをくぐりたい」なんて気持ちから走ったファミリーランでしたが、走らなければ見えない景色がそこにありました。走ることで、多くの笑顔が生まれる。今回、初めて関わらせていただいたサブイベントではありますが、もっともっとたくさんの方に知ってもらいたいイベントです。いつか自分の子供と参加したい、そんな夢がまたひとつできました。

    筆者プロフィル
    浅利そのみ (あさり・そのみ)
     1980年8月28日、山梨県南アルプス市生まれ。聖心女子大学文学部卒。山梨と東京のラジオ局アナウンサーを経て、2012年にフリーに。自慢の脚力を生かしてランニング番組のパーソナリティーも務めた、自称“走るアナウンサー”。2010~12年の箱根駅伝速報キャスター。フルマラソンの自己ベストは4時間23分56秒。旅ラン、トレイルランニングも楽しんでいる。特技はほかに柔道、フィールドホッケー。アスリートフードマイスター・ジュニア野菜ソムリエ・アロマテラピーアドバイザー。ブログは こちら
    2015年02月26日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
    おすすめ