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    フルマラソンの完走を目指す市民ランナーが日々のトレーニングをコラムでつづります。

    港ヨコハマ フルマラソン悲願達成!

    • EXPO会場。ミズノブースでウェアラブルグラスを紹介しました
      EXPO会場。ミズノブースでウェアラブルグラスを紹介しました

     決戦「横浜マラソン」を翌朝に控えた3月14日、ミズノ社員としてEXPO(エキスポ)の仕事をしてきました。会場のパシフィコ横浜は、協賛社の出展ゾーンや横浜名物を購入できる飲食ゾーン、ステージイベントなどが盛りだくさん。

     ミズノブースでは、ランニングシューズやBGシリーズタイツの試しばきのほか、スポーツメーカー初のウェアラブルグラス「スカウター」の体験コーナーを設置しました。走行距離などのデータや、友人からのメッセージなどがサングラスに投影され、ランニング中に様々な情報を入手できます。楽しそう! 体験コーナーには2日間で1100人以上の方にご来場いただきました。

    EXPOで戦闘準備

    • ウェアラブルグラス「スカウター」(開発中製品のデザインコンセプトモデル)
      ウェアラブルグラス「スカウター」(開発中製品のデザインコンセプトモデル)
    • ポーチの中身はジェル、カイロ、ワセリン、アメなど
      ポーチの中身はジェル、カイロ、ワセリン、アメなど

     ランナー受付でもらったゼッケンナンバーは「27534」。スタートブロックは「G」なので、スタートライン通過まで30分くらいかかりそう。考えただけで胃が痛くなりますが、やるしかない。同じくEXPOで仕事をした会社の先輩ランナーに、当日のポーチの中身を相談してみました。「たくさん持ってったで」と見せてくれた昔の写真には、エネルギージェルが3本。「あと、アメちゃんいっぱいやな」

     そんなにたくさんの物を持って走るとは意外でした。早速ミズノブースでジェルと粉末の携行食をセットで購入しました。これでエネルギー切れの心配はないはずです。普通のタオルはかさばるので、絞って使えるセームタオルを購入。日焼け防止のため、つばの大きいランニングキャップも購入しました。

     さらに帰り道、買い忘れはないかとスポーツ店に立ち寄りました。店頭に出ていたサングラスに目を留めると、スタッフが「スポーツ用のおすすめのものがありますよ」。店内には3畳くらいのコーナーに所狭しとサングラスが並んでいました。サングラスと一口に言っても色々な機能があるんですね。価格も3000円程度から5万円程度まで様々。検討の結果、1万円のものを購入。準備にだいぶお金がかかっている気がしますが、フルマラソンは明日。あとはもう道具に頼るしかないんです。

     帰宅して早速荷造り。大きなザックに着替えとスニーカー、パンフレット。ポーチには、ジェル、カイロ、ワセリン、アメなどを詰めます。目覚まし時計をセットして、準備は万全。布団に入ったのは午前0時を過ぎていました。明日、起きられるかしら?

    当日まさかの朝寝坊……

    • パシフィコ横浜で荷物を預けて、行ってきます!
      パシフィコ横浜で荷物を預けて、行ってきます!

     いよいよ大会当日。8時半のスタートに合わせ4時半起床の予定でしたが、予想的中。目覚めると5時。アラームを止めてしまったようです。急いで支度し、6時前の電車に飛び乗りました。あぁ眠い……。電車に揺られながら、ふとイヤホンを忘れたことに気づきました。音楽を聴きながら走ろうと思っていたので、早くも予定変更です。仕方ない、音楽が聴きたくなったら歌おう。もちろん、そんな元気があればですが。

     向かいの席を見ると、走り慣れていそうなランナーの方々。荷物の少なさと落ち着いた振る舞いから、ベテランであることがうかがえます。優雅に新聞を読んだり、音楽を聴いたり。

     一方、乗り越さないように睡魔と闘いつつ、荷物を何度も確認する私は誰が見ても新参者です。7時過ぎにみなとみらい駅で会社の先輩や同僚と合流し、パシフィコ横浜へ向かいました。

     会場ではランナーが思い思いに準備をしています。私が同僚と写真撮影をしていると、「間もなく荷物預けを終了します」のアナウンスが聞こえました。慌ててザックを預け、いざ戦場へ。

    • ザ・横浜の風景。ここを走りたかった!
      ザ・横浜の風景。ここを走りたかった!

     パシフィコ横浜からスタート地点まで、徒歩で10分程度です。トイレに寄り、周りのランナーについてスタート地点へ向かうと「間もなくゲート間移動を終了します」のアナウンス。スタート前がこんなに慌ただしいとは知りませんでした。スタートブロックに着き、ストレッチをしながら携帯を見ると、同僚や友人、仕事でお世話になっている方から応援メールが届いていました。メールを読んでいると、不思議と気持ちが落ち着いてきました。

    ギリギリで関門突破…そして魔の35キロ地点

    • スタッフのウェアは港町横浜をイメージしたボーダー柄でした
      スタッフのウェアは港町横浜をイメージしたボーダー柄でした
    • アンパンマンたちの応援にモチベーションUP!
      アンパンマンたちの応援にモチベーションUP!

     時刻は8時30分。遠くでスタートの号令が聞こえました。待つこと22分。いよいよ私たちのブロックもスタートです! 出足は快調。観覧車を通り過ぎ、あっという間に山下公園へ。チアダンスの子供たち、アニメのキャラクターも応援に駆けつけてくれました。楽しい! しかし給水所で水を取りすぎたため、10キロを過ぎた地点でトイレに寄ることにしました。「ちょうどジェルも飲めていい休憩だな」と呑気(のんき)に構えていると、ランニングドクターが「トイレに並んでる人、次の関門ひっかかるよ!」と教えてくれました。完走すると宣言したのに、第3関門で引っかかってはカッコ悪すぎる。「関門閉鎖まであと5分!」。大会スタッフの声を合図に、1キロ以上ほぼ全速力で走りました。疲れた……。第3関門を閉鎖2分前にすり抜けました。

     その後、順調に走ること10キロ。折り返し地点の南部市場では、10分前に関門を通過できました。さらに少し走ると、恐怖の首都高速道路です。高架下にいた私設エイドのおじさんにチョコレートをもらい、勇気100倍。高速に入りました。首都高は道路に傾斜があり、足に負担がかかるのが分かります。しかし風景が変わるからか、これまでの練習よりも(つら)さを感じませんでした。

    • いよいよ首都高! 横浜マラソンの醍醐(だいご)味の一つですね!
      いよいよ首都高! 横浜マラソンの醍醐(だいご)味の一つですね!

     長い長い首都高が終わると、だんだん足が重くなってきました。30キロまではあまり感じませんでしたが、35キロ地点で気持ちが折れかけてきました。さらに右膝に違和感が……。これまでも長距離を走ると右膝に痛みを感じたので、やっぱり来たなと思いました。ジェルを飲み、塩タブレットを食べ、沿道に手を振り、だましだまし走りました。

    すべての皆様に感謝

    • 給食のミニトマトが甘くておいしかったです
      給食のミニトマトが甘くておいしかったです

     40キロを超えた辺りでふと携帯を取り出すと、SNSアプリが一つ消えている! ポーチから出し入れする際、誤って削除してしまったのでしょう……。ショックです。これで気持ちが折れると同時に、足の痛みが強くなりました。私の場合、「病は気から」が大きいようです。残り2キロ強、ほぼ記憶がありません。なんとかゴール近くまで行くと、「菊っちゃん!」という声と同僚の姿。24時間テレビのメロディー「桜吹雪の~」(サライ)が頭の中で流れてきました……。

     最後はボロボロの足取りと引きつった笑顔でゴール。完走した余韻に浸る間もなく、預けた荷物を受け取ると、前職の同期からメールが。せっかくの休日なのに応援に来てくれたなんて、感謝です。

     このマラソンチャレンジを通じて、人とのつながりに感謝する機会が増えました。一緒にヨガを習った会社の同僚、相談に乗ってくれた先輩、応援してくれた上司、一緒に走ってくれた仲間、トレーニングメニューを作成してくれた深野先生、走る時の髪形をアドバイスしてくれたホワイトハウスの皆様、眠りの大切さを教えてくれたオムロンヘルスケアの皆様、そしてこの機会を与えてくださった読売新聞社の皆様、本当にありがとうございました。(おわり)

    • やっとたどり着いたゴール。感無量です
      やっとたどり着いたゴール。感無量です

     

    2015年03月24日 09時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
    プロフィル
    菊地紗矢香  (きくち・さやか
     1983年11月16日、広島市生まれ。専修大学卒業後、ホテル、航空会社勤務を経て、2010年7月に「ミズノ」に入社。現在、広報宣伝部でランニング担当として、新製品やイベントのPRに努めている。中学から大学までソフトテニスで鍛えた体力が自慢だが、ランナーとしては初心者。このコーナーでランニングを基礎から学び、フルマラソンを完走できる「走力」を身につけることを目標にしている。趣味は海外旅行。観光地ばかりでは味わえない、現地の人や文化と触れ合う旅をモットーとする。日本の伝統文化の素晴らしさを再認識したことで、日本舞踊を学び始めた。
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