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    走りを極めたアスリートや各界の著名人にインタビューします。
    第1回大会から大成功…「山形まるごとマラソン」事務局・石澤雄太さん

    自治体がマラソン大会を開きたがるワケ

    • 「日本一の芋煮会フェスティバル」で使われる大鍋の前を走り抜けるランナーたち
      「日本一の芋煮会フェスティバル」で使われる大鍋の前を走り抜けるランナーたち

     ――全国で多くの自治体がマラソン大会を開いています。自治体にとってマラソン大会を開く魅力は何ですか?

     「まず、老若男女を問わずに参加できるイベントであることです。それから、ランナー人口が増えているので、参加人数が期待できること。また、物産展などのイベントとは違い、県外からのランナーは前夜から市内に宿泊することが予想されるので、消費が見込めること。施設などハード面での準備がいらないということもあります。ハード面での事業でなく、ソフト面の事業に力を入れていく、という行政の流れに乗っているとも思います」

     ――安上がりで、効率的なイベントということですか?

     「いいえ、決して安上がりではありません。施設を借りてやるイベントの方が費用もかからないし、運営もしやすいといえば、しやすいでしょうね。マラソン大会の場合、コース全域が会場になるので、交通規制が必要になるわけですから。『山形まるごとマラソン』の場合、市中心部がコースになるので特に交通規制が重要で、大会開催が正式に決まる前から山形警察署に伺って話をさせていただきましたが、最初のころは『これは相当大変だぞ』という話をされました。警察はここ数年、地域おこしのイベントには積極的に協力しなさいという指示が出ているそうで、『駄目』とは言われませんでしたが。昔だったら協力していただくのは、難しかったのかもしれません」

     ――交通規制はお金もかかりそうですね。

     「交通規制に関係するもので予算の3~4割は占めると思います。去年の大会の場合、告知の看板を1か月前から設置しましたし、当日の警備では、ガードマンを200人、工事現場にあるようなコーンとバーを1000~2000の規模で用意しました」

    数万人規模のイベントへの成長も

    • 今年の大会では、コース上の給水所が昨年より1か所多い7か所に設けられる(山形市提供)
      今年の大会では、コース上の給水所が昨年より1か所多い7か所に設けられる(山形市提供)

     ――それだけ手間もお金もかかるマラソン大会を開くのはなぜですか?

     「それは大きなイベントに育つ可能性があるからです。例えば、バスケットボールや、サッカーの大会を『誰でもフリーで参加できます』、と呼びかけても県外市外からこれだけの人数が集まる可能性は低いと思うんですよ。マラソン大会の場合、可能性としては参加人数が数万人規模の大会に育つことだって期待できる。ランナー人口は増えているし、すでにそういう規模でやっている大会がよそにはあるわけですから、決して出来ないことではありません。各地でマラソン大会が増えている理由はそこだと思います。参加ランナーだけでなく、その家族も一緒に訪れることも多いので、観光イベントとしては魅力的です」

     ――大会の規模を、いずれは大きくしていこうと考えている自治体が多いということですか?

     「そういう期待を持っている自治体が多いと思います。だから、フルマラソンもどんどん増えていきますよね。今年は北九州で第1回大会が開かれますし、来年からも金沢、横浜で計画されているようです」

     ――「山形まるごとマラソン」も規模を拡大するのですか?

     「今年10月5日に行う第2回大会は、定員を増やしませんでした。まだ、2回目ということもあって、スムーズな運営のために慎重策をとりました。規模を拡大すると交通規制の時間が長くなることもあり、市民の理解が必要ですが、それには、まだ時間が必要だろうということもあります。ただ、具体的な数字はまだですが、将来的には参加人数を増やしていこうということにはなっています。今は規模を拡大してもスムーズな運営が出来るようなノウハウを蓄積していこうと思っています」

     ――施設的にはまだ余裕がありますよね。6000人くらいはすぐいけるのでは?

     「今や1万人を超える大会はザラですからね。人数については、市長は何も言ってません。おそらく、1万人を超える大会にしたいとは思ってないと思います。どのような大会がいい大会かというのは色々な見方があると思いますが、私個人としては、いたずらに規模を拡大するのでなく、ランナー一人一人の満足度が高くなるような運営をしていくことが大切だと思います」

    (つづく)

    (メディア局編集部 伊東謙治)

    第1回大会から大成功…「山形まるごとマラソン」事務局・石澤雄太さん
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    プロフィル
     石澤雄太 (いしざわ・ゆうた)
     山形市教育委員会スポーツ保健課スポーツ振興係主事。1986年、山形市生まれ。2006年入庁後、一貫してスポーツ保健課に所属し、多くのスポーツイベント運営に携わる。今年1月のスキージャンプの女子ワールドカップ蔵王大会では会場主任として選手や観客の動線確保やテントの手配などを担当。同大会の前身、国際蔵王ジャンプ大会の運営にも毎年参加。2011年の山形市民登山では約90人を引率して富士山に登頂。「山形まるごとマラソン」を担当したのは「スポーツ振興係に長く在籍し、いくつものスポーツイベントに関わってきた経験を買っていただいたのかな、と勝手に思っています」。剣道3段。マラソン大会の準備を進めるうちに自分も走りたくなり、去年と今年の「果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン」でハーフを完走。タイムは「制限時間(2時間30分)ギリギリ」。山形のおすすめグルメは「冷やしラーメン」。また、おすすめスポットは「蔵王」。「冷やしラーメンは週1~2回は食べてます。蔵王は、夏は登山、冬はスキーと季節を問わず楽しめるし、市中心部から30~40分で行くことが出来ます」
    山形まるごとマラソンデータ(第1回大会)
    開催日 2013年10月6日
    名称 自然や歴史、食など、山形のすべてを満喫してほしいという意味
    公募に対して寄せられた192点の中から選ばれた
    コースの特徴 市街地中心部を走るコースは山形県内で初。市の目抜き通りや、霞城公園、文翔館などの名所旧跡のほか、芋煮会が行われている馬見ヶ崎川を観光しながら走る
    エントリー者数 計4010人
    (山形市1612人、県内の他市町村1014人、県外の29都道府県1384人)
    出走者数 計3468人(ハーフマラソン2827人、4.2195キロ433人、2.195キロ208人)
    完走率 ハーフ95%、4.2195キロ100%、2.195キロ99%
    参加料 ハーフ4000円、4.2195キロ2000円、2.195キロ1000円
    制限時間 2時間半(ハーフ)
    給水所の数 9か所(コース上6+スタート地点2+ゴール地点1)
    距離表示 1キロごと
    トイレの数 181(山形総合スポーツセンターの常設トイレ91+仮設トイレ90)
    現地での受け付け なし。ナンバーカードを事前に送付
    荷物預かり 無料。預ける荷物につける「荷札」を事前送付
    参加賞 記念タオル、コメ(つや姫)2合、芋煮
    表彰 各部門8位まで(賞状・メダル・記念品を授与)
    予算 5200万円(市負担3300万円+協賛金500万円+ランナーの参加料1400万円)
    運営スタッフ 1158人(市職員163人、市陸上競技協会45人、市体育協会42人、ボランティア258人)そのほか警察官約50人、警備員約230人
    ゲストランナー 谷川真理さん、野口みずきさん
    2014年09月26日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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