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    「樹木は乾燥によってどのように死んでいくか、その生理過程を探る」「固体のトポロジーと物性」

    樹木は乾燥によってどのように死んでいくか、その生理過程を探る~世界自然遺産サイト小笠原からの報告

    京都大・生態学研究センター 石田厚教授

    • 石田厚氏
      石田厚氏

     世界自然遺産に登録されている小笠原諸島は、動植物の多くが固有種で「進化の実験場」といわれる。大陸とつながったことがなく、独自の進化をとげた。樹木の70%が固有種で、熱帯雨林のように雨が降ったり、サバンナのように乾燥したりする気候の影響で、土壌の水分を根から吸い上げる吸水力が発達した。

     一方、極端な乾燥が続くと、乾燥に強い樹木ほど枯死しやすい逆転現象も観察されている。そのメカニズムが詳しく分かれば、地球環境の変化による森林の将来予測などに活用できるだろう。

    固体のトポロジーと物性―放射光を用いたトポロジカル物質の電子状態解明と共同利用・共同研究展開―

    広島大・放射光科学研究センター 木村昭夫副センター長

    • 木村昭夫氏
      木村昭夫氏

     放射光は、光速に近い速度で加速器の中を回っている電子が放つ強力な光だ。これを固体に当てることで固体内部の電子の状態を観測できる。広島大の放射光実験施設でも、電気抵抗がゼロになる超伝導や、温度差によって電気を発生させる素子の開発など幅広い分野の研究に活用されている。放射光を使い、電子の状態をトポロジー(位相幾何学)と呼ばれる考え方に基づいて調べることで、新たな物質の性質が見えてくることもある。省電力コンピューターの材料として期待されている、表面だけに電気が流れる「トポロジカル絶縁体」など新材料開発に貢献しそうだ。(3月18日開催)

     全国の国立大が研究の最前線を紹介する月1回の公開講座。次回は4月21日午後6時から、東京駅前の京都大学東京オフィスで開催する。参加申し込みは、セミナーのホームページへ。

    2017年04月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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