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    「ニュートリノ!とピラミッド?」「電子線加速器で探る陽子の大きさの謎」

    • 中村光広氏
      中村光広氏
    • 須田利美氏
      須田利美氏

    「ニュートリノ!とピラミッド?」

    名古屋大・未来材料・システム研究所 中村光広教授

     宇宙から降り注ぐ素粒子に感光する特殊な写真フィルム「原子核乾板」を用いて様々な研究をしている。

     もともとはニュートリノなどの素粒子観測が狙いだったが、近年はピラミッドや火山、氷河などの内部を調べる「レントゲン撮影」にも応用している。エックス線の代わりに、物をすり抜けやすい性質を持つミュー粒子を捉え、その濃淡を画像化して内部を透視。2016年にはエジプトのクフ王のピラミッドに未知の空間があることを突き止めた。

     現在、原子核乾板を開発・製造しているのは世界で名大だけ。低コストで素粒子を検知できる利点を生かし、新たな応用分野に研究機関や企業などと挑戦したい。

    「電子線加速器で探る陽子の大きさの謎」

    東北大・電子光理学研究センター 須田利美教授

     素粒子物理学の基礎となる「標準理論」では、電子とミュー粒子は重さが違うだけで性質は同じとされる。ところが、電子とミュー粒子を使ってそれぞれ陽子の半径を測定すると、4%違うとの研究成果が近年発表され、「標準理論は完全ではないのではないか」との疑問が生じている。

     「誤差」の可能性もあり、東北大は加速器で電子を陽子にぶつけてはね返り方を調べる方法で測定に挑んでいる。原子核研究用としては世界最低エネルギーの加速器を使うが、理論上は低エネルギーでぶつけるほど高精度に半径が測定できる。陽子内部を調べるために高エネルギー化した加速器を使う米独に比べ、大きさ測定では有利と考える。(7月21日開催)

     全国の国立大が研究の最前線を紹介する月1回の公開講座。次回は8月25日午後6時から、東京駅前の京都大学東京オフィスで開催する。参加申し込みは、セミナーのホームページへ。

    2017年08月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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