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    ITジャーナリスト三上洋さんが、サイバー犯罪から身を守る術や情報流出対策などを解説します。

    他人のスマホ、のぞき見した女性は3割…利用調査

     女性のスマートフォン利用者調査によると、約3割で詐欺メールの経験があり、ワンクリック詐欺画面が出たことがある人が約1割いる。8割以上がスマホでのセキュリティーに不安を感じているものの、実際に対策をしている人は半数以下に(とど)まっている。(ITジャーナリスト・三上洋)

    迷惑メールは約7割、詐欺LINEも12~20%が経験

    • スマートフォンのトラブル経験(MMD研究所・インテルセキュリティ)
      スマートフォンのトラブル経験(MMD研究所・インテルセキュリティ)

     MMD研究所とインテルセキュリティ(マカフィー)が共同で、女性のスマートフォン利用実態調査を行った。「女子高生」「女子大生」「20・30代社会人独身女性」「30・40代既婚女性」の4属性を対象にしており、1574人から回答を得ている(危険に(さら)される女性のスマホ、その実態は~インテル セキュリティとの共同調査から見えた女性のスマートフォン利用実態~:MMD研究所)

     左上はスマホでのトラブルをまとめたデータだ。もっとも多いのは迷惑メールで約70%強、次は「知らない人からLINEが来た」で約50%前後となっている。そのうち詐欺とわかるものは、メールで30~35%前後、詐欺LINEが12~20%前後となっている。

     メールのほうが多いものの、LINE利用者が増えたこともあって、知らない人からのLINEや詐欺LINEの経験者もかなりいることがわかった。実際の経験談(自由回答による)でも「友人のLINEが乗っ取られてiTunesカードを買ってきてと言われた」「LINEを乗っ取られそうになった」などLINE関連のトラブルが目立っている。

     注目は「ワンクリック詐欺画面の出現」の経験だ。アダルト詐欺サイトなど架空の料金請求画面が出たことのある人は、既婚女性は5.0%、独身女性は8.4%と少ないのに対し、女子大生で15.3%、女子高生は17.7%の人が経験している。年齢が下がるにつれ、ワンクリック詐欺の画面を見たことがある人が多くなっている。

    • ワンクリック詐欺の請求画面の最高金額(中央値:MMD研究所・インテルセキュリティ)
      ワンクリック詐欺の請求画面の最高金額(中央値:MMD研究所・インテルセキュリティ)

     若い人ほどスマホサイトをよく見ることに関係があるのかもしれない。ワンクリック詐欺の広告は、アダルトサイトだけではなく、一般のまとめサイトやニュースサイトに出ている。そのためスマホを使う機会の多い人ほど、ワンクリック詐欺の画面が出ることが多くなると思われる。

     また、実際に請求があった金額を見ると、女子高生の請求額の中央値は12万円、女子大生は10万円、独身女性は8万円、既婚女性も8万円となっている。以前の記事「「免疫」ない? 女性・高齢者のアダルトサイト相談が増加:サイバー護身術」でも取り上げているが、ワンクリック詐欺の女性被害が増加傾向にあるので注意したい。

    8割がスマホのセキュリティーに不安を感じるが、対策している人は半分以下

    • スマートフォンのセキュリティに対する不安(MMD研究所・インテルセキュリティ)
      スマートフォンのセキュリティに対する不安(MMD研究所・インテルセキュリティ)
    • スマートフォンで実施しているセキュリティ対策(MMD研究所・インテルセキュリティ
      スマートフォンで実施しているセキュリティ対策(MMD研究所・インテルセキュリティ

     スマホのセキュリティーに対する不安(複数回答)では、もっとも多いのがウイルス感染(約60%前後)で、電話帳などの個人情報の漏えい(約50%前後)、画像・動画などのデータ漏えい(約40%前後)、不正アプリのインストール(約38%前後)と続いている。不安は「特にない」と答えたのは13.2~16.8%であり、それ以外の8割以上の人は何らかの不安を感じていることになる。

     それに対して、セキュリティー対策を行っている人は少数に留まっている。「特に何もしていない」と「わからない」を足した数は以下のとおりだ。

    ●スマホでのセキュリティー対策で「特に何もしていない」「わからない」人の割合

    ・女子高生:52.7%

    ・女子大生:58.7%

    ・独身女性:56.0%

    ・既婚女性:51.0%

     どの世代でも半数以上が「特に何もしていない」「わからない」となっている。「わからない」人では、親がセキュリティー対策アプリを入れている場合もあるだろうが、本人の自覚がない時点で警戒心が低いと考えていいだろう。

     セキュリティー対策を実施している人は、携帯会社のセキュリティサービス(約20~27%)、スマホの中で設定できる制限の機能(約14~21%)、無料のセキュリティアプリを入れている(約9~13%)と回答していた。

     このように女性のスマホ利用者では、セキュリティー対策を実施している人が少ないのが気にかかるが、一つだけ安心材料がある。それはiPhone利用者が圧倒的に多いことだ。

    • 利用しているスマートフォンの種類(MMD研究所・インテルセキュリティ)
      利用しているスマートフォンの種類(MMD研究所・インテルセキュリティ)

     上のグラフを見てもわかる通り、iPhoneユーザーは女子高生で80.5%、女子大生で76.7%、独身女性で65.6%、既婚女性で59.6%と非常に多い。iPhoneはAndroidと比べると不正アプリの被害に遭いにくいため、その点では安心度は高いと言っていいだろう。

     ただし不正アプリを除けば、トラブルに遭う危険性はiPhoneでもAndroidでも変わらない。迷惑メールやLINEで誘導されるサイトでのトラブル、ワンクリック詐欺を始めとした詐欺サイトの被害はどちらでも発生するので注意が必要だ。

    他人のスマホをこっそり見た人が3割もいる

    • 他人のスマートフォンをこっそり見た経験(MMD研究所・インテルセキュリティ)
      他人のスマートフォンをこっそり見た経験(MMD研究所・インテルセキュリティ)

     ちょっと怖いデータもある。「他人のスマートフォンをこっそり見た経験はありますか?」という質問だ。

    ●他人のスマートフォンをこっそり見たことのある人

    ・女子高生:36.0%

    ・女子大生:34.2%

    ・独身女性:28.8%

    ・既婚女性:36.8%

     女子高生・女子大生・既婚女性では、なんと3分の1以上の人が「他人のスマホをこっそり見たことがある」と答えているのだ。対象は「恋人」「親」「兄弟姉妹」「友達」などであり、特に既婚女性ではのぞき見した対象の80%が「配偶者/恋人」となっている。

     調査データを改めて見ると、既婚女性の全回答数は418人、そのうち他人のスマホを見たことがある人は154人、その中で見た相手が配偶者/恋人の人が125人だった。つまり既婚女性のうち約30%が、配偶者/恋人のスマホを見ていることになる。ちょっと恐ろしいデータだ。

     プライバシーを守るためには、身近な人からののぞき見も警戒したほうがいいかもしれない。指紋認証でロックをかけることができるスマホを選ぶことを検討したい。

    ●参考記事

    「免疫」ない? 女性・高齢者のアダルトサイト相談が増加:サイバー護身術

    スマホで人気の「フリマアプリ」でトラブル:サイバー護身術

    危険に晒される女性のスマホ、その実態は~インテル セキュリティとの共同調査から見えた女性のスマートフォン利用実態~:MMD研究所

    2017年02月06日 14時27分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    三上洋   (みかみ・よう
     セキュリティ、ネット活用、スマートフォンが専門のITジャーナリスト。最先端のIT事情をわかりやすく解き明かす筆力には定評がある。テレビ、週刊誌などで、ネット事件やケータイ関連の事件についての解説やコメントを求められることも多い
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