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    ITジャーナリスト三上洋さんが、サイバー犯罪から身を守る術や情報流出対策などを解説します。

    格安スマホ、ユーザーの「勉強不足」がトラブルに

     格安スマホのトラブル相談が急増している。自分のスマホでSIMカードが使えない、故障しても代替機がないなどの相談だ。ほとんどはユーザー側の知識がないことが原因であり、格安スマホの利用にはユーザーが事前に勉強する必要がある。(ITジャーナリスト・三上洋)

    格安スマホの相談件数が前年度の2.75倍に急増

    • 国民生活センターに寄せられた格安スマホの相談件数(国民生活センターによる)
      国民生活センターに寄せられた格安スマホの相談件数(国民生活センターによる)

     格安スマホのトラブル相談が急増している。2016年度の相談件数は1045件で、前年度は380件だったので2.75倍と大きく増えた。料金が安いことから格安スマホが注目されているが、「今まで通りのサービスが安く受けられる」と思っていたユーザーからの相談が目立っている(こんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル:国民生活センター)

     3月の記事「格安スマホの消費者問題とは?:サイバー護身術」では、格安スマホの会社側の問題を取り上げた。しかし国民生活センターに寄せられている相談の多くは、会社側の問題ではなく、ユーザー側の知識が足りないゆえの問題のようだ。具体的には、以下のような相談例が紹介されている。

    ★国民生活センターに寄せられた格安スマホの相談例

    (1)今までの携帯電話会社とサービスが異なることによるトラブル

    【事例1】問い合わせ先が電話窓口しかなく、つながりにくい

    【事例2】修理期間中の代替機の貸し出しサービスがなく、スマートフォンが1か月間利用できない

    【事例3】メールアドレスの提供がなく、別会社のメールアドレスで送ったが、相手にメールが届かなかった

    (2)端末とSIMカードを別々に購入することで発生するトラブル

    【事例4】SIMロック解除をしないと、他社のSIMカードでスマートフォンが使えなかった

    【事例5】インターネットで購入したスマートフォンの端末代金に未払いがあり、精算しないと修理の受付ができないと言われた

    (3)利用開始日に関するトラブル

    【事例6】発送から数日で利用開始になるとは知らなかった

     いずれも「格安スマホでは覚悟しなければならないこと」になる。ユーザーはそれを知らずに契約してしまい、相談してきているようだ。

    • 格安スマホ会社と今までの携帯電話会社の違い(国民生活センターによる)
      格安スマホ会社と今までの携帯電話会社の違い(国民生活センターによる)

     たとえば上記の相談例で言うと「問い合わせが電話のみ」「修理中の代替機がない」「メールアドレスがない」の三つは、格安スマホの会社では一般的なことだ。ドコモ・au・ソフトバンクなどの大手携帯電話会社にはある店舗や代替機・メールアドレスなどの提供が、格安スマホ会社にはないことが多い。あらかじめそれを覚悟して契約するべきなのである。

     また「SIMロック解除をしないと使えなかった」「ネット購入したスマホが修理できなかった」という相談も、ユーザーが事前に調べた上で契約・購入すべきことである。利用開始日のことも、MNP(番号ポータビリティー)のしくみの話であり、ユーザー側が知っておく話である。

     大手携帯電話会社では至れり尽くせりのサポートを受けられ、困ったら店頭窓口へ行けば相談できた。しかし格安スマホは、自分で契約内容を調べて、自己責任で使うべきものだ。国民生活センターでは、大手(今までの携帯電話会社)と格安スマホ会社のサービス内容の違いを表にまとめている。格安スマホは実店舗が少ない、端末が使えるかどうかは事前に調べる必要がある、サービスが有料の場合がある、などを覚えておく必要がある。

    格安スマホに移行する前のチェックポイント

    • 格安スマホ会社との契約の流れとポイント(国民生活センターによる)
      格安スマホ会社との契約の流れとポイント(国民生活センターによる)

     この状況について国民生活センターでは、ユーザーが自分の利用状況を確かめた上で、端末のSIMロックやローンの状況、回線手続きなどを事前に調べておくことを勧めている。左の画像のチェックポイントをよく読んで、しっかり準備したい。

    ★格安スマホ会社の契約の流れと事前準備のチェックポイント(国民生活センター)

    1:自分の利用状況の確認

     音声通話の利用、データ通信の利用量、キャリアメール(ドコモ・au・ソフトバンクのメール)をメインで使っているか、移行できるか

    2:契約したい格安スマホ会社を選ぶ

     料金プラン、実店舗のサポート体制、故障時の対応など

    3:端末についての確認

     格安スマホ会社で自分のスマホが使えるか(機種名と携帯電話会社名)、SIMカードのサイズ、SIMロック解除が必要かどうか、中古スマホはネットワーク利用制限の対象かどうか

    4:格安スマホ会社へ申し込み

     MNP申し込みと解約日の確認、開通日の確認、利用開始手続きの確認など

    5:利用開始手続き等

     初期設定、利用開始手続き、電話帳などのデータ移行

     一つ一つ確認し、わからないことがあれば格安スマホ会社の問い合わせ電話で相談しよう。電話がつながりにくい会社は避けたほうが無難かもしれない。

     一般的なアドバイスをまとめておくと、まずキャリアメール(ドコモ・au・ソフトバンクのメール)をやめてGoogleやAppleのメールに移行することを考えたほうがいい。GoogleやAppleのメールであれば、携帯電話会社が替わってもそのまま使えるからだ。また現在の端末を使うのであれば、事前に格安スマホ会社のウェブサイトを見て、「SIMロック解除が必要か?」「SIMカードのサイズは?」を確かめること。中古のスマホは知識のない人にはオススメできない。

     このように格安スマホの利用は、準備とある程度の知識が必要だ。詳しくは国民生活センターのPDF資料「こんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル-料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう- 」にあるので、じっくり読んでおきたい。

    ※注

    この記事では国民生活センターの表記に合わせて、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が提供する音声通話付きの携帯電話サービスのことを「格安スマホ」としている(SIMカード単体の契約も含む)。また格安スマホを提供する事業者(MVNO)のことを「格安スマホ会社」としている。

    ★参考記事

    格安スマホの消費者問題とは?:サイバー護身術

    こんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル:国民生活センター

    スマホで人気の「フリマアプリ」でトラブル:サイバー護身術

    2017年04月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    三上洋   (みかみ・よう
     セキュリティ、ネット活用、スマートフォンが専門のITジャーナリスト。最先端のIT事情をわかりやすく解き明かす。テレビ、週刊誌などで、ネット事件やケータイ関連の事件についての解説やコメントを求められることも多い。
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