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低アレルギー卵産む鶏誕生へ、インフルワクチン製造に期待

 広島大の堀内浩幸助教(免疫生物学)らのグループが、アレルギー性を抑えた鶏卵の開発につながる、鶏の万能細胞「ES細胞」の遺伝子組み換えに成功した。年内にも低アレルギー性の卵を産む鶏が誕生する見通し。

 有精卵は、新型を含むインフルエンザワクチンの製造に使われ、卵アレルギーの人にも接種可能なワクチンができると期待されている。

 卵アレルギーは乳幼児から10歳代に多く、発疹(ほっしん)や呼吸異常を招き、重篤な場合は意識障害などを起こすアナフィラキシーショックで死亡することもある。鶏卵に熱や酵素を加えても、アレルギー性の強いたんぱく質・オボムコイド(OVM)は除去できなかった。

 堀内助教らは2001年、鶏の血液や骨など組織のもとになるES細胞を作製する方法を発見。今年4月には、ES細胞内で、OVMを発現させる遺伝子の塩基配列を並べ替えることで発現を止める技術を確立した。遺伝子を組み換えたES細胞を受精卵に戻しており、5〜6月に第1世代約10羽が生まれる。掛け合わせで遺伝子が完全に組み換わり、OVMを含まない卵を産む第2世代が早ければ12月に誕生するという。

 インフルエンザワクチンは、鶏卵内で増殖させたウイルスを無毒化して作るのが一般的。卵の成分がわずかに残るため、重い卵アレルギーの人は接種を避けるのが望ましいとされる。堀内助教は長男(3)にアレルギーがあり、「同じ不安を持つ親子のためにも実用化を急ぎたい」と話す。

 手島玲子・国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部長の話「食品としては安全性のハードルがあるが、医薬品には早期の応用が期待でき、アレルギーのある人に朗報」

2009年5月2日16時08分  読売新聞)
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