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動物の骨、ブームです…標本展示・写真集なぜか大当たり

ワニの骨を興味深そうに見つめる子供たち(神戸市灘区の市立王子動物園で)=笹井利恵子撮影
チンパンジーの骨を興味深そうに見つめる子どもたち(神戸市灘区の市立王子動物園で)=笹井利恵子撮影

 動物の骨がひそかなブームだ。全国各地の動物園や博物館では骨の標本展示が大当たりし、昨年発売された骨格標本の写真集は予想の数倍の売れ行きとなっている。

 8月には、大阪市で動物学者や、“骨マニア”たちの交流会「ホネホネサミット」が初めて開かれる。しかしなぜ今、骨なのだろうか。

 神戸市立王子動物園は3月から、飼育していたゴリラやワニ、ウシなど約80頭の骨を並べた「ホネ・骨・ホネ大集合」展を開催中。連日、人だかりができ、大人も子供も展示ケースに近づき、時折、「わぁっ」という驚きの声が上がる。

 当初は6月初旬までの予定だったが、好評で8月末まで延長した。同市の主婦、蓬田(よもぎだ)かんなさん(37)は「骨だけの動物が、今にも動き出しそうな不思議な感覚にとらわれる」と話す。

 骨の展示を中心とした企画展は経費があまりかからないこともあって、東京・上野動物園や千葉県我孫子市の鳥の博物館など各地で開かれた。昨年9〜11月に開いた岐阜県博物館では約1万6000人が入場した。「若い人たちが熱心に見てくれた」と担当者は喜ぶ。

 「骨を見たり触ったりすると、どういう動物で、どんな暮らしをしていたかとイメージが広がる」と言うのは、解剖学者で東大名誉教授の養老孟司さん。「自分で想像力を働かせることで心が豊かになる。そこが受けている理由では」とみる。

 早川書房(東京)が昨年6月に出版したシュモクザメやキリンなど155の動物の骨の写真集「BONES」(3675円)も評判だ。通常なら3000〜4000部とされる写真集で、異例の約1万部を販売。黒の背景に白い骨が際立つ印象的なカットをそろえ、骨の美しさを紹介しているのが特徴だ。

 一方、8月22、23日に大阪市立自然史博物館で開かれるサミットは、同博物館を拠点に骨の標本作りなどに取り組むサークル「なにわホネホネ団」(約130人)が企画した。骨に詳しい研究者らとともに骨の魅力をとことん語り合うという。

 ブームの背景について、精神科医の香山リカさんは「人々は本質を見失っては何にもならない、と気づき始めている。愛らしいイメージのある動物に対しても、骨まで見て本当の姿を理解しようとする人が増えているのではないでしょうか」と分析している。

2009年6月28日12時48分  読売新聞)
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