散策ガイド
「せっかくの奈良、正倉院展だけで帰ってしまうのはもったいないですよ」。奈良でただ一人、国土交通省「観光カリスマ」に選ばれている朝廣佳子さんが、奈良国立博物館周辺の観光モデルコースを考えました。ポイントは所用時間別、テーマ別に分かれているところ。「入館者が比較的少なくなる時間帯に会場へ到着するように工夫しましたが、適宜組み合わせて、自分なりのコースを作り上げてください」とのことです。
各コースとも、地図とコース案内を、1枚の紙におさまるように印刷することができます。ご活用ください。
聖武天皇・光明皇后にあやかり、縁結びに触れる 2時間コース
正倉院宝物の中には、光明皇后が、聖武天皇の四十九日に、聖武天皇を偲んで納められた、天皇ご遺愛の品々もあります。お2人にちなんで良縁をいただきに行こう。
近隣で奈良のとっておきの一品を探す 3時間コース
旅の楽しみは、ご当地の名物や知られざる逸品を探すこと。奈良にしかないもの、正倉院展限りの商品、お買い物好きにはたまらないレアものもありますよ。
高畑界隈でアートにひたる 5時間コース
奈良公園にほど近い静寂な場所が高畑地区。この時期、街路樹の南京ハゼが紅葉して、とっても美しい。そんな高畑界隈には美術館やカフェ、雑貨やさんなどのぞいてみたい場所が点在。
風情ある奈良町を散策 6時間コース
江戸から明治時代にたくさんの商店が立ち並んだ「ならまち」。古い町家が軒を連ねる趣き深い路地を、少し迷いながら散策してみよう。懐かしい気持ちになれるはず。
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それぞれの「正倉院展、プラスアルファ」を楽しんで

奈良は、「時間」を肌で感じられる場所だと思います。平城宮跡に残る基壇の上に立ち、生駒の山に沈む夕日を眺めていると、すごくリアルに歴史が浮かび上がってきます。千三百年ほど前にも、こうやって落日を見ていた人がいたのだろうなと、素直にそう思えてくるのです。
言い換えるなら、奈良はずっと昔の形を残してきた場所なのでしょう。でも、それは何もせずに放っておいたから、というわけではありません。東大寺二月堂のお水取りにしても、それぞれの時代の僧侶たちが営々と努力を重ねて伝えてきたわけですから。その積み重ねに思いを馳せると、奈良にまつわる様々なことが、もっともっと、味わい深くなってくると思います。
正倉院展を楽しむポイントも、そういった想像力というか、イメージの羽ばたかせ方にあるような気がします。工芸の見事さ、意匠の素晴らしさを堪能するのももちろんですが、「どれだけの人の手を経て、ここにたどり着いたのだろうか」とか、「聖武天皇も光明皇后と一緒にご覧になったのだろうか。どんな会話をされたのだろうか」とか、いろいろと想像を巡らせてみると、ぐんとおもしろく見えてきます。
秋は奈良のベストシーズンです。いや、本当は春も夏も、冬もそれぞれにいいのですが、町並みをのんびり歩くには最適な季節でしょう。例年、熱心なファンでいっぱいになる奈良国立博物館ですが、夕方には少しゆっくり見られる状態になります。街角にしっくりと溶け込んだカフェも増えてきましたし、寄り道をしながら、ちょうど夕方に会場に着くような、そんな「正倉院展、プラスアルファ」を楽しんでほしいですね。
(談)
朝廣佳子(あさひろ・よしこ)さん
岡山県出身。読売奈良ライフ代表取締役社長。1999年、奈良青年会議所理事長に就任、奈良公園一帯をろうそくの灯りで彩る「なら燈花会」の初代実行委員長を務める。翌年以降も「なら燈花会」定着に尽力し、夏の奈良を代表するイベントに育て上げた。2004年、国土交通省「観光カリスマ百選」選定委員会に、「『奈良らしさ』を追求し『なら燈花会』を成功に導いたカリスマ」として認定される。
(協力 読売奈良ライフ)


