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    遥かな至宝の道…正倉院展

    • 槃龍背八角鏡(ばんりゅうはいのはっかくきょう) 直径31.7センチ
      槃龍背八角鏡(ばんりゅうはいのはっかくきょう) 直径31.7センチ
    • 羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ) 縦163.1センチ横55.9センチ
      羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ) 縦163.1センチ横55.9センチ
    • 漆槽箜篌(うるしそうのくご) 現存している高さ139センチ
      漆槽箜篌(うるしそうのくご) 現存している高さ139センチ
    • 明治時代の模造
      明治時代の模造

     シルクロードを介したはるか西域の薫りを漂わせる至宝がそろった。2日、奈良市の奈良国立博物館が概要を発表した「第69回正倉院展」(10月28日開幕)は、天平文化の国際性を余すところなく伝える。

     「羊木臈纈屏風ひつじきろうけちのびょうぶ」は、奈良・東大寺大仏に献納された聖武天皇ゆかりの宝物リスト「国家珍宝帳こっかちんぽうちょう」に記載された品とされている。中央にあしらわれた羊はササン朝ペルシャの文様に似ており、胴体の三角文は中国・新疆しんきょうウイグル自治区トルファンの錦に類例がある。

     たて形ハープの「漆槽箜篌うるしそうのくご」は西アジアの古代アッシリアに起源を持ち、共鳴部分の「槽」や支柱に鳥や草花が表されている。破損しているが、明治時代の模造も展示され、往時の華麗な姿がうかがえる。

     森安孝夫・大阪大名誉教授(中央ユーラシア史)は「箜篌は古代ウイグルの壁画にあるが、正倉院以外、現物が残っていない。模造も含めて興味深く、どんな音色だったのだろうか」と想像を膨らませる。

     聖武天皇遺愛の品で、正倉院の鋳造鏡を代表する「槃龍背八角鏡ばんりゅうはいのはっかくきょう」は、成分や鮮明な文様から、遣唐使が持ち帰った唐製品とみられている。鏡背には、天に昇ろうとする龍を左右に配し、つまみの「ちゅう」を亀形にするなど、中国の神仙思想を表現している。

     天平時代のファッションにも注目が集まりそうだ。「沈香把玳瑁鞘金銀荘刀子じんこうのつかたいまいのさやきんぎんそうのとうす」は貴人が身に着けた腰飾り。香木の沈香やベッコウなど、貴重な素材を用いた豪華な品だ。

     奈良国立博物館の内藤栄学芸部長は「海外からもたらされた珍しい品々に囲まれた天平の貴人の暮らしをしのばせる宝物が多い。展示でシルクロードを通した古代の東西交流を実感してほしい」と話している。

    2017年08月04日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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