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    屏風の羊ウズベクにも…7世紀壁画に 

     奈良国立博物館(奈良市)で開催中の第69回正倉院展に出展されている「羊木臈纈屏風ひつじきろうけちのびょうぶ」に表されたのと同じ巻き角の羊が、シルクロード沿いのウズベキスタン・サマルカンドにあるアフラシアブ遺跡の壁画(7世紀)に描かれている。専門家は「シルクロードを往来した商人を介して日本に伝わったのでは」と推測する。

    • サマルカンドの遺跡で見つかった壁画に描かれた羊の文様(2007年、ウズベキスタンで)=中原正純撮影
      サマルカンドの遺跡で見つかった壁画に描かれた羊の文様(2007年、ウズベキスタンで)=中原正純撮影

     壁画は同遺跡の邸宅跡で出土。イラン系民族・ソグド人らしき男の衣服や馬のくらの布の文様として、約10センチの羊が描かれていた。一部剥落しているが、左向きで、巻き角と脚の形、体にある三角形の文様は、「羊木臈纈屏風」とそっくりだ。

     今年の正倉院展の図録で関連性を考察した同博物館の吉澤悟・列品室長によると、モデルは中東や中央アジアに生息する羊の原生種・ムフロンという。ササン朝ペルシャ(3~7世紀)の銀皿や水瓶にも似た羊の文様が見られ、ササン朝で国教とされたゾロアスター教の神の化身を表したらしい。

     「羊木臈纈屏風」は書かれた元号などから日本製とされており、吉澤室長は、ソグド人の商人が壁画にあるような意匠の布を中国・唐まで運び、遣唐使がそれを入手したと推測。「最新モードの意匠を屏風に転用したのでは。サマルカンドと約6000キロ離れた奈良に同じ文様が存在する奇跡を、正倉院展で感じてほしい」と話している。

    2017年10月31日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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