文字サイズ

    ウズベク出土の板絵 正倉院に伝わる竪琴・琵琶 

    アジアの楽隊奏でた宝物

    • 板絵に描かれた楽隊の一部。左から箜篌、琵琶、簫、琵琶、箜篌を持つ人物が表されている(帝塚山大提供)
      板絵に描かれた楽隊の一部。左から箜篌、琵琶、簫、琵琶、箜篌を持つ人物が表されている(帝塚山大提供)

     奈良・正倉院にも伝わる古代の竪琴たてごと箜篌くご」や琵琶などを弾く楽隊を彫った8世紀初めの板絵が、シルクロードの要衝、ウズベキスタン・サマルカンドの遺跡で出土し、帝塚山大(奈良市)が2日発表した。炭化しているものの、ほぼ完全な形で、同大学によるとこうした板絵の発見は初めて。シルクロードを通した文化の広がりを示す成果だ。

     同大学とウズベキスタン考古学研究所が9月、都市跡の「カフィル・カラ城」を発掘。小部屋跡から板絵(幅1・4メートル、高さ1・3メートル)が見つかった。複数の穴があり、壁にくぎで留められていたとみられる。

     板絵は画面を4段に区切り、中央アジアで信仰されたゾロアスター教の女神「ナナー」を中心に、周囲に供物などを持つ人物約40人を表現。儀式の場面とみられ、このうち下から2段目に、西アジアの古代アッシリアが起源とされる箜篌や、ペルシャがルーツの4弦琵琶、ギリシャ発祥という管を横に並べた管楽器・しょうなどを持つ楽隊が彫られていた。いずれも正倉院に伝わる楽器だ。

     一緒に出土した貨幣などから、710年頃に城がイスラム勢力に攻められた際に焼けたとみられる。宇野隆夫・帝塚山大教授(考古学)は「箜篌と琵琶の合奏は東アジアにも広まっており、日本に伝わったルート復元の手がかりになる発見だ」と話している。

     奈良国立博物館(奈良市)で13日まで開催中の第69回正倉院展では、板絵と同種の竪琴「漆槽箜篌うるしそうのくご」が出展されている。

    2017年11月03日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP