戦争責任検証委員会

 戦争責任検証委員会は、読売新聞東京本社の調査研究本部、論説委員会、編集局の各記者17人から構成。日本人が自らの手で戦争を検証して当時の政治・軍事指導者の責任を明らかにしようとする試みははじめてのことで、(1)満州事変がなぜ日中戦争へと拡大したのか、(2)勝算のないまま米国との戦争に踏み切ったのはなぜか、(3)玉砕・特攻を生み出したものは何だったのか、(4)米国による原爆投下やソ連参戦は避けられなかったのか、(5)東京裁判で残された問題は何か――の5テーマについて検証を行った。

 検証の成果は、2005年8月から06年8月にかけて読売新聞本紙に特集記事の形で随時掲載した。06年8月13日朝刊と15日朝刊に掲載した「検証最終報告」では、満州事変から原爆・ソ連参戦に至る重要な局面ごとに具体的に「責任の重い人物」を明示した。

 検証委員会の発案者である渡辺恒雄グループ本社会長・主筆は、保阪正康氏(ノンフィクション作家)との対談「戦争責任とは何か」(『論座』2006年11月号)のなかで、「あの戦争が風化していない、体験者もいれば子孫もいる今のうちに、道徳的、政治的な責任を追及しなければならないと考えた。(中略)たとえ、読者の半分が反対しても、いつかはわかってくれるだろう。今やらなくては、もうやるときがないと考えたのが、一番大きな動機」と説明し、「暴力と侵略を聖戦という名でごまかし、あれだけの広範な地域を侵略して、現地民に非常な迷惑をかけ、死に追いやり、もちろん、日本兵もさんざん無駄死にさせられた。そういうことを国民がきちんと理解しなくては」と指摘している。