<下>度胸満点 向上心の塊九州共立大1年(福岡六)
腹の据わった1年生だ。優勝がかかった九産大戦。1点リードで迎えた九回、二死三塁で打率5割超の4番打者を迎えた。相手側スタンドの盛り上がりは最高潮に。それでも、臆せずに右腕を振って直球勝負。「緊張はしなかったです。ここまできたら気持ちなんで」。優勝投手となった後、さらりと言ってのけた。 「マウンドに仁王立ちする姿が、チームに自信と誇りをもたらしてくれる」。仲里監督の言葉は決して大げさではない。今季は先発に抑えにフル回転し、全10試合中8試合に登板。5勝無敗、43回で5失点。防御率0・63はリーグトップで、ベストナインに選ばれた。 昨夏の高校野球長崎大会準々決勝で選抜優勝の清峰・今村猛(広島)に投げ勝ち、脚光を浴びた。甲子園では菊池雄星(西武)擁する花巻東(岩手)との対戦で147キロをマーク。敗れはしたが、鮮烈な印象を残した。 プロ入りした同級生を強く意識する。馬原孝浩、新垣渚(ともにソフトバンク)ら本格派右腕を輩出した九州共立大への進学は、将来を見据えての選択だった。トレーニングで体重は昨夏から7キロ増え、最速は149キロまでアップした。 向上心の塊でもある。練習では、同じ長身投手でエース番号「18」を背負う川満寛弥(2年・宮古総実)のそばを離れず、周囲に「金魚のふん」と呼ばれるほど。直球が130キロ台ながら抜群の伸びを誇る左腕に心服し、「体の使い方を学びたい」との一心からだ。 初めての神宮でも、貪欲(どんよく)に成長のカギを探す。「本当に楽しみ。レベルの高い人たちからいろいろ盗みたい」。きっかけをつかめば、一気に主役の座を奪ってもおかしくない。(前田剛) ◇ 長崎日大高卒。1メートル86、83キロ。右投げ右打ち。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。手本とする投手はソフトバンク・斉藤和巳。(2010年6月4日 読売新聞)
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