上武大、5年目の飛躍陸上・第85回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(18日・国営昭和記念公園20キロコース)――城西大など13校が来年1月2、3日の本大会への出場権を獲得した。 上武大が初出場を決め、青学大は33年ぶり、拓大は4年ぶり、明大は2年ぶりの本大会出場。インカレポイントをタイム換算し、合計タイムから差し引いて選ぶ11〜13位争いは、合計タイムで14位の順大が12位に上がり、13位の法大が14位となる逆転で明暗を分けた。法大の連続出場は10回で途切れた。本大会には、前回上位9校のシード校と関東学連選抜を加えた23チームが出場する。 花田監督の指導で驚異のまとまり…上武大成績発表を待たず、万歳が始まった。細身の花田監督の体が2度、歓喜の輪から青空へと、突き上げられた。それほど万全のレースで、上武大が初めての箱根キップを手に入れた。 粒のそろった、まとまりが何より際立った。 チームトップが31位で、10人目が79位。わずか38秒の間に、10人がゴールに駆け込んだ。1位通過の城西大でも、8人目からは3けた順位。「特別なエースはいないけど、みんなが本当に自分の力を出し切ってくれた」。真っ赤な目の花田監督が、少し胸を張った。 エスビー食品で2度の五輪出場を果たした花田監督が引退を決意した2004年、当時のマネジャーから指導を請うメールが届き、監督を引き受けることになった。 箱根出場校ゼロの群馬県の無名校。選手勧誘にも苦しみ、「箱根なんて無理」と高校の指導者に突き放されたこともある。しかし、「あきらめたら何もできない」と上だけを見た。04年の予選会から19、16、13、13位と着実に力を蓄え、5年目の今年、一気に常連校を飛び越えて見せた。 1通のメールに向き合ったひたむきさ同様、指導もきめ細かい。エースの福山(3年)は「70人の駅伝部員の弱い選手まで、よく見て、声をかけてくれる」。 ゴール後には、うれし涙で一人一人と抱き合い、握手を続けた。驚異のまとまりを生んだ細心の指導が、箱根路に新たな風を吹かせる。(近藤雄二) 青学大、13位…33年ぶり歓喜青学大の選手らは祈るようにして順位の発表を待った。大学の名が呼ばれたのは本大会出場圏内ぎりぎりの13番目。33年ぶりの箱根行きを決め、OBも入り交じって喜びを爆発させた。 実業団の強豪・中国電力出身の原監督を招いて5年目。自主性を重んじる指導が選手に少しずつ自信を植えつけた。「本気で箱根を走りたいという気持ちで練習に取り組めた」と先崎主将(4年)。14位の法大と6秒差の激戦を勝ち抜いた。 前回出場した第52回大会(1976年)は最終区で途中棄権。原監督は「先輩たちの悔しさもタスキに乗せて、最低でもシード権を取る」と意気込む。長い歳月の思いをつなぎ、箱根路に新たな歴史を刻む。(佐藤謙治) 苦しんで雪辱の舞台へ…前回棄権の順大、大東大、東海大前回大会で途中棄権した3校が、苦しみながらも雪辱の箱根路に臨むことになった。 順大はインカレポイントによる逆転で、辛うじて通過。前回5区で途中棄権した主将の小野(4年)は「箱根のショックを糧にして頑張ってきた。満足できるレースではないけど、故障者もいる中で通過できたのは大きい」と安堵の表情。 大東大は、前回9区で途中棄権した住田(4年)が227位と遅れたが、他のメンバーが奮起。奈良監督は「自分が予選会を経験したことがなかったので、選手を信じるだけだった」と、底力を見せた選手たちに目を細めた。 悪夢を思い起こさせたのは東海大のエース佐藤(4年)。15キロ付近から太ももがつり、何度か立ち止まった。全体の112位、チームの8番手でゴール。「とりあえず通過すればいい」と、本大会に向け気持ちを切り替えていた。(田上幸広) 城西大、首位通過城西大は初のトップ通過。個人でも2位に入った田中(2年)は「チームに貢献できたので、ある程度は納得」と笑顔を見せた。 昨年、トップ通過した中央学院大が本大会でも総合3位に入ったように、レベルが高くなった予選会の上位は本大会でも有力チームとなる。平塚監督は「念願のシード権も狙えるし、力を出し切れば5、6位も狙えると思う」と意気込みを語った。 6秒差で予選落ち、法大涙昨年はインカレポイントで笑った法大が、今年は同ポイントに泣いた。合計タイムでは順大を14秒上回りながら、逆転されての予選落ちに成田監督は「去年はうちがひっくり返したんだから仕方ない」。 主力の福島(3年)が前半速く入り過ぎて後半に失速、チーム10番目でゴールしたのが痛かった。「夏合宿がこなせなかった。もう一度作り直さないと」。監督の表情はさえなかった。 (2008年10月19日 読売新聞)
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