(10)黄金時代へ胎動 竹沢の故障気がかり…早大箱根を楽しみに待つ人々に、ショッキングなニュースが12月22日に流れた。 早大の竹沢健介が、坐骨神経痛のために出られないかもしれない、あるいは出たとしても、2区以外の区間になる、というもの。翌日には、順大の松岡佑起も、腸脛靱帯に痛みが出て、こちらも欠場か、2区以外の区間に回るという。 以前なら、こういう事態は隠され、当日、驚きとともに明らかになったのだが、インターネット時代になって、情報は流れ、監督自ら明らかにするようになってきた。むしろ、このほうが、他の選手たちにも余計な神経を使わせず、当日になっての動揺も小さくなり、力を出せて、いいだろう。 そうはいっても、早大にとっては、痛い出来事であることに変わりはない。 早大は、黄金時代に突入しようとしている。今年のインターハイの5000mは上位2人がケニア人留学生で、日本人トップは3位。その3位・八木勇樹(兵庫・西脇工)、4位・三田裕介(愛知・豊川工)、5位・中山卓也(兵庫・須磨学園)が、すべて早大に進学することを決めている。八木と三田は2年生から際立った活躍をしており、中山は、往年の名マラソンランナー中山竹通の息子であり、今年、大きく伸びた。 「強い選手は、みな早稲田にいってしまう」 他大学の関係者を嘆かせている。スポーツ選手に手厚い入試態勢がとられている。スポーツ科学部には、スポーツ自己推薦入試があり、「全国大会に出場等、優秀な成績を有する者」がその条件で、定員は40人。他にも、卓球の福原愛の入学で有名になった定員が決まっていないトップアスリート入試もある。 早稲田のブランド力があれば、特別に進学したい大学がある選手を除き、誘われれば入学を希望する選手は多いだろう。毎年、高校のトップクラスの選手が3人程度入学すれば、黄金時代に入っていくのは、間違いない。 しかし、まだその時代にはなっていない。層が厚いとはいえない早大にとって、竹沢の故障は痛い。 早大は、創立125周年なのだという。野球部は斉藤佑樹の佑ちゃん人気で盛り上がり、ラグビー部は強い。競走部という名の陸上でも、125周年を祝う何かを、と求められている。渡辺康幸監督としても、それに応えなければ、自己推薦の入学の長距離選手枠にもかかってくる。総合優勝を決めたいのは山々だが、その確率は高くはない。そこで狙ったのが、往路優勝。 2区に竹沢がいれば、5区には計算できるキャプテン駒野亮太がいる。往路の柱がしっかりしており、そこに11月の上尾ハーフマラソンで2位となった高原聖典が3区あたりに加われば、1区で大きく出遅れなければ、の条件で、往路優勝も見えていた。 しかし、竹沢が……。2区での出場はない雲行き。走るとすれば、18・5kmと距離が短く、比較的坂の少ない4区だという。 黄金時代への胎動の年。竹沢抜き、あるいは4区・竹沢で、創立125周年に花を添えることができるのだろうか。(おわり) (陸上ライター・石井信) (2007年12月29日 読売新聞)
|
今週のPICK UPPR
|
| ▲この画面の上へ |
|
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |